TDB景気動向調査(全国)

- 2018年5月調査 -

 

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2018年6月5日
株式会社帝国データバンク

原油高響き、国内景気は2カ月連続で悪化

〜 消費マインドの弱含みで小売業が大幅に悪化 〜

(調査対象2万3,157社、有効回答1万1社、回答率43.2%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 2018年5月の景気DIは前月比0.4ポイント減の49.4となり、2カ月連続で悪化した。日本経済を取り巻く環境に不透明感が増すなか、国内景気は原油価格上昇が企業や個人のコスト負担増を招いたことが響き、足踏み状態が続いた。今後の国内景気は輸出や設備投資がけん引していくと見込まれるものの、海外リスクの顕在化が景気を下押しする可能性について注視する必要がある。

  2. 10業界中6業界が悪化、4業界が改善した。原油高が企業活動や消費に悪影響を及ぼすなか、消費マインドが弱含み、『小売』は消費税増税時となる2014年4月以来の下げ幅となった。

  3. 『東北』『南関東』『近畿』など10地域中8地域が悪化、『東海』『中国』の2地域が横ばいとなった。ゴールデンウイーク明けに物流や小売・個人向けサービスが低迷したほか、仕入単価の上昇も景況感が悪化する一因となった。規模別では、「大企業」「中小企業」が悪化、「小規模企業」は横ばいとなった。


2018年5月の動向 :  足踏み状態続く

 2018年5月の景気DIは前月比0.4ポイント減の49.4となり、2カ月連続で悪化した。
 5月の国内景気は、原油価格が1バレル=72ドル台(WTI)とおよそ3年半ぶりの高値をつけガソリンや軽油などの価格が上昇したことから企業や個人のコスト負担が増し、景況感を押し下げる要因となった。加えて、食品や電気料金の値上げで消費マインドが弱含んだことや人手不足の深刻化を受け、小売業およびサービス業の消費関連業種が悪化。米トランプ政権による保護貿易主義の拡大も企業マインドにマイナスに響き、1年11カ月ぶりに2カ月続けて悪化した。日本経済を取り巻く環境に不透明感が増すなか、国内景気は原油価格上昇が企業や個人のコスト負担増を招いたことが響き、足踏み状態が続いた。

今後の見通し :拡大傾向に変調の可能性

 国内景気は、世界経済の回復を背景に輸出の増加が続くほか、設備投資も省力化や東京五輪向けの需要を受けて堅調に推移すると見込まれる。個人消費は夏季賞与などを含めた賃金上昇や消費税率引き上げにともなう駆け込み需要から、緩やかな回復が続くであろう。一方で、米中の貿易摩擦激化や欧州における景気減速懸念、中東などの地政学的リスクの高まりといった海外情勢の動向については、注意深く見守る必要がある。また人手不足などにともなうコスト負担の増加や経済政策の停滞もマイナスの影響を及ぼすであろう。今後の国内景気は輸出や設備投資がけん引していくと見込まれるものの、海外リスクの顕在化が景気を下押しする可能性について注視する必要がある。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:原油価格の上昇でコスト負担増、消費が弱含み『小売』は大幅な悪化

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:「大企業」「中小企業」が2カ月連続で悪化

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:10地域中8地域が悪化した一方、改善地域はみられず

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,157社、有効回答企業1万1社、回答率43.2%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2018年5月18日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各選択区分の回答数に乗じて算出している。


 景気DIは、50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる(小数点第2位を四捨五入)。また、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」で算出している。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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