首相は政治資金を「仕分け」せよ

2009年12月03日

鳩山首相の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金問題で、鳩山首相の母親が鳩山首相に、十数億円に上る資金提供を行っていたと報道されている。このうちの一部が偽装献金の原資に充てられていたとみられており、東京地検特捜部が実態解明を進めているが、鳩山首相は国会などで、一貫して原資は自己資金と説明しており、主張と矛盾する実態が浮かんでいる。


鳩山首相は資産報告漏れ問題の弁明で「恵まれた家庭に育ったものだから、自分自身の資産管理が極めてずさんだったことを申し訳なく思う。心を入れ替えてしっかりとやりたい」と語った。さらに、「しっかりと国民の皆さんの目線にあった政治を行っていきたい」と強調していた。


しかし、いかに恵まれた家庭とはいえ、十数億円もの大金が母親から提供されていることがわからない親子関係というものは、われわれ一般庶民から遠くかけ離れた想像を絶する世界である。このような環境で育った人物が果たして国民の目線にあった政治を行えるのか不安に思う。


景気・雇用対策など課題が山積みで迅速な対応が求められるなか、このような問題で国会が混乱している暇はない。鳩山首相は早急に自らの政治資金の出所をきちんと「仕分け」し、国民に説明すべきである。

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