恵方巻商戦の拡大に、内需の底上げへの可能性をみる

2010年02月03日

景気低迷が続いており、個人消費は厳しい状況にありますが、メーカーや小売店は需要の掘り起こしを進めながら、数少ない消費機会を漏らさず取り込もうと、戦略を練っています。


その例としては、今日は節分ですし、近年、需要が拡大してきている恵方巻が挙げられます。
関西発祥の恵方巻は、ある大手小売店の販売戦略によって関東など他地域にも広まってきたと言われ、いまでは全国的にも知られるようになりました。認知度は9割を超えるとのデータもあります。その商品ラインナップも、すでに巻き寿司だけではなく、ケーキやお菓子など他の食品にも応用され、需要のすそ野を広げています。


そのキーワードである「巻き(ロール)」に注目した企業の商品開発や販売戦略が、恵方巻商戦を拡大させているのです。
いずれは、豆まきの習慣を超えるとの見方もあります。恵方巻は邪気払いや縁起物であるだけでなく、食事も兼ね、かつ、1人でもルールにのっとって黙々とできることが、急速に浸透してきた理由でもあるようです。


そう遠くない将来、恵方巻商戦は母の日やクリスマス、バレンタイン商戦にも負けないくらいの市場に育つかもしれません。
いまのシーズンは、勝利や合格などをキーワードとした受験商戦が盛り上がっています。今後も消費マインドは停滞が見込まれますが、新しい、または切り口を工夫した企業の経営戦略が、内需の底上げにつながると言えるでしょう。

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