国産ブラウザに光を

3月13日、Google社は(米)Microsoft社のInternet Explorer(以下IE)6や(米)MozillaのFire Fox 2などの古いブラウザに対するYouTubeのサービスサポートを終了した。これに際して、アメリカのWEBデザイン会社によってIE6葬儀が行われた。多くの参列者が出席しMicrosoft のIE チームからも弔辞が寄せられた。


セキュリティの面から考えると、IE6などの古いブラウザを利用することはウィルス感染や既知の脆弱性に対する攻撃など危険性が高いといわれている。また、WEB標準に対応していないことや利用が進んでいるクラウドコンピューティングなど、ブラウザを解したさまざまなサービスを利用する点を考えても、利点は少ない。しかし、国内ブラウザの利用実態ではIE6の利用が約15%程度あるなど、セキュリティ上問題のあるブラウザの利用が続いている。この背景には企業の社内インフラがIE6を前提としたシステム設計が行われていたことがあげられる。


Microsoftは、WindowsにIEが基本インストールされているは独占禁止法に抵触するのではないかという欧州委員会からの指摘により、欧州連合(EU)のWindowsは、3月1日からユーザーが使用するブラウザを選べる選択画面を提示するように対応した。この選択画面には、SleipnirやLunascapeなど日本の企業が開発したブラウザも表示されており、選択画面導入後、海外からのダウンロード数が増加している。
しかし、日本国内のブラウザ利用実態では、IE、Fire Foxの利用が80%を超えた一方、国産ブラウザは5%未満と利用が進んでいない。


セキュリティ面で優秀とされ、日本の利用者に適した柔軟なカスタマイズが可能であることを鑑みると国産ブラウザを利用するメリットは大きい。
また、パソコンのみならずスマートフォンやその他の機器を通じてインターネットに接続する際に必要となるブラウザの開発は、日本の情報技術発展の上でも大きな意義を持っている。


政府、企業、個人を問わず国産ブラウザの認知が高まり、情報戦略の重要事項として国産ブラウザの利用が高まることを期待したい。

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