サッカーW杯、国民が一丸となって難局に立ち向かう好機に

2010年05月10日

2010年6月、サッカーワールドカップ(W杯)の南アフリカ大会が開催される。本日発表された日本の代表選手には海外組も多く、出場国の常連となった日本は、今大会、ベスト4を目標とするなど、日韓共催のW杯から8年が経過し、日本の成長を実感させられる。応援も国内のいたる所で大いに盛り上がることだろう。


このようなスポーツが、現状の日本の政治、経済の苦しい局面に対して、一丸となって立ち向かう精神を取り戻す好機とはならないものか。
政局が混迷を深め、雇用や所得面などで家計は厳しく、何かと自己責任が叫ばれる時代ではあるが、苦難において皆が自己防衛のみに走れば、それは自分さえ良ければ構わないという環境を醸成し、日本人はますます個や孤に陥り、国際的な競争力も弱まってしまう。


国民が選んだ政権が、小泉首相ののち、3代続けて1年で倒れ、いままた鳩山政権も窮地に立たされている。確かにリーダーシップやその発言に頼りない面もあるが、個人の資質として斬り捨てるだけでよいのか。これまで4代続けて、政権や首相自身に問題があったというよりも、大きな国難に直面しているなかで、私たち国民が支えきれていないというほうが正しいのではないか。


バラバラになった組織ほど弱いものはない。内外の敵と闘う体制すら整えることはできずに、敗れるであろう。
大きな視点では、国や自治体、業界団体など、また、身近なところでは地域社会や近隣住民など、苦しいときほど、助け合い、お互い様という気持ちを持った行動の連鎖が、課題解決には必要だと思う。


夏の参院選挙も近づいている。今回のサッカーW杯では、国民がひとつとなって日本代表の闘いを応援するなかで、周囲と手を携えて困難に挑戦する姿勢を共有したいと思う。

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