型は形にあらず
2010年07月05日
日本相撲協会が賭博問題に揺れている。すでに同協会に自浄能力はないと判断され、現在、外部有識者による特別調査委員会が事態の収拾にあたっており、親方や力士への解雇処分など、厳しい対応を取り始めている。
これまでも相撲部屋の世間とはかけ離れた慣習に批判が集まってきたが、そもそも相撲とは、古事記にも記述のみられる神事が起源とされており、いまも各地に残る祭りとも関係が深い。そのため礼儀作法が重要視され、さまざまな動きには伝統的な型をもっている。相撲道と言われるゆえんでもある。
ところが、興業が重視されるあまり、歴史と伝統ある型が長い時間が経過するなかで、外見だけを真似る形に成り下がってしまっているように思われる。すべての型には、本来、それぞれの意味があったはずであり、そこが正しく継承されていないのではないかと感じる。
どのような組織でも運営する以上、お金とはきってもきれない関係にあり、政治的な思惑などさまざまな利害関係が複雑に入り込む。こうしたなかで、もし本道から外れるような状況に陥ったら、そこでは原点に立ち返って見直しを図っていくことが重要だ。
日本相撲協会も形だけ整えるのではなく、今後、生まれ変わるであろう新体制やルールに本来の意味と魂を込めて、改革を実行していくことが不可欠である。
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