国内航空運賃もやっと低価格時代に

先日、東京から四国への急な帰省のための交通手段選択に迫られた際、あらためて高額な航空運賃に驚かされた。往復割引でも1人6万円弱、家族4名で約23万円。日頃、出張や予定の決まった休暇などでは早割活用やパック旅行で飛行機を利用するが、早割などの適用のない正規料金では、利用しようという気は萎えた。


新幹線やバスなどの選択肢もあったが、家族4名で移動ということもあり、片道分のETC休日特別割引を利用すれば、ガソリン代や食事代を入れても往復約4万円と航空運賃の正規料金の1人分にも満たない出費で収まる。ドライバーとしては疲れるが、空路とマイカーの差額19万円を延べ運転時間30時間で割って時給計算すると6千円を超えていたので、やむなしと割り切り、車を選択した。


まだまだ高い国内航空運賃も、最近の海外格安航空会社(LCC)の外圧により、やっと低価格化時代に突入した。全日本空輸が関西空港を活用しLCCへの参入を表明、国内線は高速バス料金並みの片道1万円以下を目指すようだ。
航空会社のLCCの流れは、鉄道との価格競争にも発展するだろう。JRでは、2010年12月の東北新幹線の青森駅延伸、2011年3月の九州新幹線の鹿児島ルート全線開通、2014年予定の北陸新幹線の金沢駅延伸、2015年予定の北海道新幹線の函館駅開業と、新幹線の延伸計画が目白押し。今後の国内LCC路線網にもよるが、価格競争が進むのは必至だ。


価格、時間、快適さ、求めるもの、目的によって選択する交通機関も違ってくるだろうが、利用者にとって、低価格の選択肢が増加することは歓迎だ。
ただ、海外のLCCで立ち乗り形式や座席間を詰めることで、低価格化を実現している航空会社をマスコミで目にすることがあったが、みるからにリラックスできない。ある程度の快適性も望みたい。沢木耕太郎著「深夜特急」でインドの列車内で、荷物置き場に当たり前のように登り、横になれるスペースを確保するくだりがあるが、腰痛もちにとっては、長時間の移動はフルフラットでの移動が理想だ。座席間隔で積載効率を高めるのなら、狭いカプセルでも横になれるほうがましだ。極端な話、国内外を問わず、移動時間の長い路線に関しては、すべてカプセル型の寝台航空にして欲しいものだ。

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