金融円滑化法をめぐる金融機関と企業の温度差

2013年01月10日

2009年12月に施行され、2013年3月末に期限終了を迎える中小企業金融円滑化法の影響が注目されている。期限終了を迎えたら、金融機関の融資態度が硬化してしまうのではないだろうか、貸し剥がしがあるのではないか、などの懸念を抱える企業経営者は多いという。


金融庁は出口戦略としてソフトランディングの方針を示し、円滑化法終了後でも金融機関のスタンスは変えないと発表しており、弊社が独自で金融機関に行ったアンケートでも9割が「今後の融資姿勢に変化なし」と回答している(TDBレポート2012年12月号参照)。


企業の経営状況が円滑化法の申請時より改善している場合であれば、融資態度の硬化がないかもしれないが、当初の見込みより、業績が回復していない企業は多い。同アンケートによると金融機関に経営改善計画の提出をしている企業のうち経営改善目標を達成している企業は「40%以下」との回答が過半となった。これは金融機関が把握している範囲での数値であり、実際の達成率はこれを下回っている可能性も大いにある。円滑化法利用企業の業績はまだまだ厳しく、金融機関による融資態度の硬化を懸念するのにも納得がいく。


同アンケートは金融機関に行ったものであるが、2012年12月に行った景気動向調査では企業からみた円滑化法がわかる。回答頂いた方々には、円滑化法を利用している企業も含まれており、利用状況や実際の意見なども聞くことが出来た。また返済条件の変更以外に金融機関から受けた対応や望まれる支援なども調査した。現在集計中であるが、非常に興味深い内容となっている。発表は2013年1月21日である。ぜひとも、注目して頂きたい。

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