女性管理職について
経団連は7月14日、女性の役員・管理職登用に関する目標を定めた会員企業の自主行動計画を公表した。それによると、47社のうち約6割にあたる27社が具体的な数値目標を設けた。
2003年に男女共同参画推進本部が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度にする」という目標を掲げたが、2003年の管理的職業従事者に占める女性の割合は9.7%。その後10年が経つが2013年の同割合は11.2%で、いまだ日本における女性管理職登用は進まず、欧米諸国と比べても低い数字だ(総務省「労働力調査」)。
さらに、女性の就業率に着目すると、OECD諸国の女性(25~54歳)の就業率(2012年)で、日本は34カ国中25位と下位。また、出産を機に仕事を辞める、もしくは辞めざるを得ない人は多く、第1子出産前後の女性の就業継続率は4割未満である(内閣府「男女共同参画白書」)。一度退職した時点でキャリアはストップし、管理職への道は閉ざされてしまう。また、子どもが成長した段階で再就職しようとしても正社員での雇用は厳しく、パートやアルバイトでの就業、もしくは働き口がなく専業主婦になることも多い。女性の就業率を高めなければ女性管理職など雲の上の話である。
女性の就業率を高めるためには育児休業制度や保育環境の充実のほか、男性の育児参加促進が必要である。欧米では男性の育児休暇取得は一般的といわれているが、日本では男性の育児休暇取得率は1.89%で、取得期間別の割合をみると1カ月未満が7割を超えている(厚生労働省「平成24年度雇用均等基本調査」)。安倍政権では2020年までに男性の育休取得率を13%に引き上げることを目標としているが、取得率だけでなく取得期間についても数値目標を設ければ(たとえば1カ月以上など)、女性の就業率は向上し、女性管理職30%という数字が現実味を帯びてくるのではないだろうか。