女性社長
「女性社長」と聞いてどのようなイメージを持たれるだろうか。個人的には「バリバリ働くキャリアウーマン」をイメージしていたが、実態は自分が思い描いていたイメージとは少し異なるようだ。
先月20日に弊社がリリースした「第3回全国女性社長分析」では、全社長数に占める女性社長数の割合は7.51%で、13.3社に1社が女性社長であることがわかった。弊社のデータによると女性社長比率は年々微増傾向にあるが、国際的に見るとどうなのか。政府が2013年11月に実施した産業競争力会議で配布された「女性が働きやすい環境を整え社会に活力を取り戻す」の資料によると、日本は就業者に占める女性割合(42.3%)に比べ、管理的職業従事者に占める女性割合が11.1%で、欧米諸国(アメリカ43.1%、フランス39.4%)と比較して低い。
都道府県別の女性社長比率ランキングを見ると、トップは「青森県」(10.19%)で、唯一の10%超えとなった。なぜ青森県がトップなのだろうか。注目すべきは、女性社長の就任経緯で、青森県では「同族継承」が66.01%と半数以上を占める一方、「創業者」は23.31%である。厚生労働省が発表した「平成22年都道府県別生命表の概況」によると、青森県は全都道府県のなかで一番の短命県であることから、夫が立ち上げた事業を、夫が死去した後に妻が引き継ぐケースが多い点が浮き彫りになった。他方、女性社長の就任経緯で「創業者」が最も多かったのは東京都の45.34%であったが、東京都の女性社長比率は8.22%である。女性社長比率が高い=女性が自ら事業を起こす人が多いとは限らないのだ。
安倍内閣では、女性の活躍推進を成長戦略の中核の一つと位置づけ、「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」という目標を掲げているが、重要なのは数字だけではないのではないか。「結果として指導的地位に就任した女性」ではなく「目標を持ち、自ら進んで指導的地位に就任した女性」が増えることこそが、女性活躍という意味では重要なのではないかと思う。