ハンドメイドマーケット
「移動ポケット」。私が幼い頃にはなかった物だが、近頃の幼稚園生や小学生の間では一般的になっている。呼び方はいろいろあるが、ズボンやスカートのウエスト部分にクリップで付けて使う外付けポケットの事で、ハンカチやティッシュなどを入れて使用する。息子が小学生になったことを機に我が家でも取り入れることにし、ネット上で調べてたどりついたのが、個人が作ったハンドメイド作品を購入できる通販サイトであった。
利用したのが、GMOペパボオーシー(株)(東京都新宿区)が運営する「テトテ」というサイト。ハンドメイド作品が出品・購入できる日本最大級のフリーマーケットサイトで、全国から毎日1,000点以上の作品が新たに出品され、月間100万人以上がサイトを訪れているという。
目当ての物を購入するため、個人の作家より出品される様々な柄や形のなかから選び、商品代金と送料を確認してネット上で決済。数日後にはきれいにラッピングされた商品が手元に届いた。商品は丁寧に縫製されていて、裏地まできちんと手をかけてあることが一目見て分かる。同封されていたカードには、お礼のコメントのほかに、販売した個人の名前と住所が書かれていた。自らの実名を出して手作りした品物を販売するとなれば、やはり作り手側の意識も違うのではないだろうかと思った。丁寧に作られ商品を割安で買うことができたこと、そして気持ちのこもった納品がされたことから、とても満足のいく買い物であった。初めの買い物の印象が良かったことから、その後も子ども向けで何か必要な物があるとそちらで購入するようになったが、そこで購入した商品のどれもが高品質で、丁寧に対応してもらったとの印象を持った。
一般社団法人日本ホビー協会発行の『ホビー白書2015年版』によると、2014年の手芸などの国内クラフト市場規模は約8,906億円、またハンドメイドサイトの市場規模(流通総額)は2014年の35億円から2015年には78億円(推計)に拡大している。Yahoo!オークションのようなネットを介した個人間の取引が盛んになり、そうしたことへの抵抗感がなくなってきているなかで、市販品にはない魅力が消費者を引き付けているのだろう。
こうした動きは新しいビジネスチャンスを探るためのヒントになるのではないだろうか。