増えるのか?夫の育児・家事時間

先日、久しぶりに風邪を引いた。母が寝込むと、一家は大混乱に陥る。核家族なので頼れる大人といえば夫になるのだが、出張やら残業やらで頼ることが難しい。状況が状況なので今回は夫に早帰りしてもらい、最低限の家事・育児をこなしてもらい、どうにか就寝までたどり着いたが、翌朝は大混乱だった。長女の宿題プリントのチェックや手紙等は急ぎではないと判断され、机の上に乱雑に放置。普段忘れ物をチェックする母がいないため、長女は寒いのにコートを着忘れ、水筒も持たずに学校へ。下の子に至っては「ママと保育園へ行く」の一点張り。夫は慣れない家事・育児で大変だったようだ。


2017年9月15日に総務省統計局は「平成28年社会生活基本調査」を発表した。生活時間の配分や余暇時間における主な活動状況を調査したものだが、これによると子供がいる世帯のうち「共働き世帯」について、20年前の1996年と比べ夫の家事時間はわずか8分増の15分、育児時間は13分増の16分。一方、妻の家事時間は19分減の3時間16分、育児時間は37分増の56分であった。20年前の夫の家事・育児時間の少なさについては、そういう時代だったから、ということになるのだろうが、増えたとはいえ昨今の男女共同参画社会においてもう少し家事・育児に時間を割けないものか・・・と思ってしまう。「イクメン」という言葉が流行ったように育児に積極的な人もいるが、いまだ世の中の夫の家事・育児のスタンスは「分担する」ではなく、「お手伝いする」という感覚が強いのではないかと感じる。


前述の調査に、日本とアメリカの家事関連時間の比較が掲載されていたが、6歳未満の子供のいる夫の家事関連時間は日本が1時間23分に対しアメリカは3時間25分で、妻の家事関連時間は日本が7時間34分、アメリカは6時間1分であった。アメリカだけでなく、日本は他の先進国と比較しても夫の家事関連時間は依然として低水準である。政府は男女共同参画社会推進の一環として、「6歳未満の子供を持つ夫の育児・家事関連時間を2020年までに1日当たり2時間30分とする」という数値目標を設けている。ぜひとも達成を期待したい。

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