「空飛ぶクルマ」もいいけれど・・・。
経済産業省と国土交通省、民間団体などが、8月29日に「空飛ぶクルマ」の実現に向けた課題を整理する官民協議会の初会合を開催したとの報道があった。
国内での2020年代の実用化に向けて、安全基準や技術開発の課題などに関する工程表を年内に策定する方針のようだ。
空が物流の大きな役割を担うようになる日も近いと感じるニュースだが、個人的には、これまで、交通事故にあわないように、道路の交差点横断時や運転時に二次元で注意をしていたものが、「空飛ぶクルマ」が当たり前となったあかつきには、自身の頭の上にも注意を払わないといけないと思うと、少しうんざりする。
もちろん、現状の貨物飛行機や輸送用ヘリの空輸と比べて、操作性や価格面が安価となるならば、あるいは緊急性の高い目的(患者搬送、犯罪捜査)で、利用されるのであれば問題はないと思うが、商用で飛び交うようだと、無秩序な空となりそうだ。
話は変わって、今年は8月の中旬に四国まで車で帰省した。子供二人が免許をとってから初めての高速教習も兼ねてのものだったが、二人とも初めての高速での長距離運転に加えトラックの多さに焦り、私は助手席で体を固くしての高速教習となったが、日夜これだけの数のトラック郵送が日本の物流を支えているのだと思うと、あらためて頭が下がる。
ただ、トラックドライバーも高齢化が進み、ドライバー不足があるなかで、物流各社の試行錯誤が続いている。佐川急便は北越急行と客貨混載列車の運行を2017年4月に開始、ヤマト運輸は和歌山電鐡と2018年2月から客貨混載事業を開始している。
こうした動きをみると、ふと「新幹線物流の可能性はないのだろうか?」という思いが浮かぶ。2027年開業を目指して工事を進めているリニア中央新幹線の開通後に、リニアへ旅客が移動すれば、新たな物流の手段として在来の新幹線を利用する貨物新幹線の可能性はないのだろうか。もちろん夜間は架線などの保守点検や沿線住民への騒音防止のため難しいだろうし、新たに貨物積み下ろしのため引込線も必要となるだろう。また物流費においてトラック輸送などとの兼ね合いもあるだろうが、少なくとも「空飛ぶクルマ」よりは、実現性が高いように思うのは安易だろうか。