去年の猛暑と今年の日照不足
突然やってきた猛烈な暑さが、体にこたえる。しかし小学生たちが夏休みに入った頃までは、夏らしいとはいえない天気が続いていたはずだ。"真っ青な空に白い入道雲""ジリジリと照り付ける太陽"といった夏らしい空をほとんど見かけなかった。住んでいる地域にもよると思うが、個人的に2019年7月の中旬までは夏が来たという実感が例年に比べてとても乏しかった。
話は1年前に遡るが、去年の夏は記録的な猛暑であった。2018年の関東甲信地方の梅雨明けは6月29日ごろで、平年(7月21日ごろ)より22日も早く、同地方で6月に梅雨が明けるのは初めてのことであった。7月の月平均気温は、東日本で1946年の統計開始以来となる第1位の高さを記録。同月に気象庁が異例の緊急会見を開き、記録的な暑さを「災害と認識している」とコメント、翌8月も猛暑が続いた。6月下旬から7月上旬に起きた西日本豪雨(平成30年7月豪雨)、9月の台風21号や北海道胆振東部地震も含めて、自然災害が相次いだ夏となった。
一方で、今年の夏は北日本や東日本の太平洋側で、6月下旬から日照時間が少ない状態が続いている。日本気象協会によると、東京都心部は日照時間が3時間に満たない日が7月16日まで20日間連続した。こうしたことが響き、6月28日から7月18日までの約20日間の日照時間(速報値)は、東京が平年比でわずか14%しかなく、名古屋は同36%、仙台は同51%となっている。
昨年のような記録的な猛暑は避けたいが、一方で今年の7月のように晴れが少なく、暑くないのも困ったものだ。すでに日照不足によって農作物などへの影響が一部で表れはじめ、飲料や夏物商材などの消費もかんばしくない。やはり夏は夏らしくが、我々人間の心身にとっても、経済にとっても最適ということであろう。気象庁は8月上旬まで高温の傾向にあると予想している。「夏は暑いものだ」と暑さを受け入れるしかないが、災害については今年こそ少ない夏であることを切に願うばかりである。