世界2位のプラゴミ排出国という事実
そこで新たに取り入れてみたのが、よく行くスーパーが扱っている「マイ・バスケット」というカゴ。レジで精算する際にそのカゴをレジ係の人へ渡すと、会計済みの商品をカゴに詰めてくれる。そのままカゴをカートで車へ運び、帰宅する。食料品をレジ袋へ詰める作業から解放されるうえ、ビニール袋を使わずエコにもなる良い仕組みと思うのだが、そのスーパーでのカゴの普及率はとても低い状態にある。
日本は、人口一人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量が、米国に次ぎ世界で2番目に多い[1]という事実をご存知だろうか。こうした状況を背景に、政府が2019年5月に策定した「プラスチック資源循環戦略」では、2030年までに使い捨てプラスチックの排出量を累積で25%抑制し、2035年までに使用済みプラスチックを100%リユース・リサイクルする目標を掲げている。また、プラスチックごみの削減に向けて、政府はレジ袋の有料化を義務付ける方針を打ち出した。小売店の準備や消費者への周知にともなう時間を考慮する一方で、東京五輪までにはスタートさせたい意向もあり、2020年7月から有料化が始まる予定だ。ただし、バイオマスを原料に製造される「バイオマスプラスチック」や微生物によって生分解される「海洋生分解性プラスチック」などを使ったレジ袋は、普及を促す目的などもあり有料化の対象から外れている。
先日、飲食店で紙ストローを初めて使う機会があったが、濡れてもしっかりしていて、不都合は感じなかった。我々の生活にはプラスチックでできた消耗品が溢れているが、前述のカゴしかり、紙ストローしかり、日々の習慣となっている些細な事柄を少し変えるだけで、環境保全につながることをもっと意識すべきであろう。
2050年には海洋に漂うプラスチックごみの重量が、生息する魚の重量を上回る[2]と予測されている。廃プラスチックの海洋汚染問題は、まさに待ったなしの状況にある。プラスチックで溢れる海など誰も見たくはないのだから、我々は身近でできることから、行動へ移すしかない。
[1] 国連環境計画「Single-use plastics: A roadmap for sustainability」(2018年)
[2] エレン・マッカーサー財団「THE NEW PLASTICS ECONOMY RETHINKING THE FUTURE OF PLASTICS」(2016年)