ご存知ですか?メタボに次ぐキーワード「ロコモ」

2006年、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」という言葉が話題になった。腹囲や血圧、血糖、脂質などの観点から日本内科学会が基準を策定したもので、略称である「メタボ」はその年の新語・流行語大賞のトップテンに入賞するなど、誰しもが耳にしたことがあるのではないだろうか。


こうした流行を背景に健康志向が一段と高まったなかで、近年は「ロコモ」という言葉が定着しつつある。ロコモとは運動器症候群を指す「ロコモティブシンドローム」の略称で、日本整形外科学会は「骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で、立つ、歩くといった機能(移動機能)が低下している状態」であると定義している。マクロミルが実施した認知度調査によると、ロコモという言葉を聞いたことがあると答えた人の割合は44.8%と半数近い。公表されている数値で最も古い2012年度当時の17.3%と比較すると大きく上昇している。その一方で、言葉の意味も知っていると答えた人は18.7%にとどまっている。まだまだ理解が進んでいない言葉といえるのではないだろうか。


日本整形外科学会公式のロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトである「ロコモチャレンジ!推進協議会」のページを見てみると、「ロコモ度テスト」という移動機能を確認できる方法がいくつか掲載されている。最も手軽で誰でもできる方法を、ここでもご紹介したい。「立ち上がりテスト」と呼ばれるもので、高さ40センチの椅子に座り、片脚を上げた状態で、反動をつけずに3秒間かけてゆっくり立ち上がる。動作はたったこれだけ。立ち上がることができた場合はさらに椅子を低くするなどして、下半身の筋力を測ることができる。


他にも「立ち上がりテスト」を両脚で行うケースや、「2ステップテスト」と呼ばれる歩幅測定、25項目の質問で構成されている「ロコモ25」というチェックシートが掲載されている。その3つを総合して「ロコモ度」を測定するという恰好だ。私も実際に測定してみたが、難なくできると思っていた「立ち上がりテスト」が想像よりスムーズにできない。同協議会が「全世代に注意が必要」と記載しているように、年齢的に大丈夫だろうと思い込んでいた私も決して例外ではないことを痛感した。自らの健康寿命を少しでも延ばすことができるよう、今からでも意識して生活してみよう。まずは、少々の距離はエレベーターやエスカレーターに頼らずに階段を歩くことから始めてみようか。

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