こんな時こそ、逆境に負けない取り組みを!!
2020年度がスタートした。入社式や入学式、お花見や歓迎会など本来であれば人と人とが交流し、明るい話題で持ちきりとなる4月。しかし、新型コロナウイルスの影響で多くの企業や学校で、様々な行事の中止や延期が相次いでいる。さらに4月7日には、7都府県を対象地域とした「緊急事態宣言」が発出され、日本中が不安に苛まれている。
そのようななかであっても、苦境を乗り切るため新たな取り組みや、消費者に安心安全を提供しつつ事業を行う企業もみられる。
例えば、トヨタ自動車では、グループ企業で医療用防護マスクや自社用マスクの生産を始めると発表。化粧品の製造なども行う遊笑(ゆうわ)は、生産に空きが生じた化粧品製造工場を転用し、除菌スプレーを生産。製造ラインを活用し社会にも貢献している。また、コストコホールセールジャパンでは、65歳以上の高齢者や身体が不自由な人を対象に特別営業時間帯を設け、安心して買い物ができるよう対応している。ロスフラワー事業を手掛けているRINでは、イベントの中止などで在庫過多な生花を買い取り、ドライフラワーとして再活用している。下表に、主な取り組み例をまとめた。
さらに、先日公表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年3月)」内で寄せられた企業からの意見にも、「売り上げは落ちているが、今後開発する商品によっては、挽回もできると考えている」(食料・飲料卸売)というように困難な状況下でも新たなチャンスを模索する動きが起きている。
このように逆境に負けない企業の取り組みが多数生まれており、そうした企業の取り組みは我々に安心感や希望を与えてくれる。
不安や心配が交錯するなか、マイナスの影響だけに目が行きがちだが、少しだけ目線を変え企業の新たなチャレンジや努力、前向きな取り組みなどから、学ぶことも必要であろう。
このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。