フェイク情報を見極めるには

現代社会では、インターネット上の情報を鵜呑みにすることなく、その情報を正しく理解・分析・整理し、また自分の言葉で表現し、判断する能力が求められる。


このように書くと大仰に感じるかもしれないが、必要なことは非常にシンプルである。


先日、NHK(日本放送協会)の「クローズアップ現代+」という番組で、ネット上のフェイクに惑わされず、情報を見極める7つのポイントを紹介していた。略して「だしいりたまご」という。


 だ=誰が言っている?
 し=出典はある?
 い=いつ発信された?
 り=リプライ欄(返信欄)にどんな意見?
 た=たたき(攻撃)が目的ではない?
 ま=まずは一旦保留しよう
 ご=公的情報は確認した?


これらはSNSやブログなどインターネット上にある情報が本当に正しいのか、それを見極めるための基本行動と言っても良いのではないだろうか。


その情報の発信者は本当に専門家なのだろうか、出典は何か、エビデンスはあるのだろうか、ということは最初に確認すべきことである。あるいは分野によっては、最初は正しいと思われた情報でも、時間がたつと実は間違いだったと分かることもあり、その情報が発信された時期も大切になってくる。


また、SNSなどでは発信情報に対して専門家がデマを否定するリプライをつけていたり、他の人たちの見解を確認することもできる。当然、誰かを攻撃することが目的の投稿ではないかどうかを考えることは必須である。さらに多くの専門家のコンセンサス(合意)である公的情報を参考にすることも有益だ。そこでは、一旦落ち着いて時間をおくことも重要になる。


2年ほど前、当コラムで統計のウソを見破る5つのカギを紹介した(「『科学風のウソ』を見破る方法」[1])。そこでは、ウソを見破るためにはまず「ウソのつき方」を知ることが肝要であると述べている。フェイク情報の被害に合わないためのポイントは、同時に自分自身がフェイク情報の発信者にならないためのポイントでもある。


[1] https://www.tdb-di.com/posts/2018/02/col2018020505.php
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