新型コロナウイルスで変化する新入社員の気持ち
(株)ディスコが2020年卒の新入社員向けに行った「新型コロナウイルスの入社式等への影響」という調査[1]では、「新生活に対して不安を感じるかどうか」という問いに対し、「とても不安を感じる」と回答した人が19.3%、「やや不安を感じる」と回答した人が50.1%と、合わせて7割近くが不安を感じているという結果であった。同社はこの結果を受けて、研修が延期になり事前知識がないまま配属されることや、就職先の業績悪化など不安材料は多岐にわたっており、企業側にはそういった不安を軽減できるような配慮が求められる、と述べた。私はというと、同じ年に社会人になる名前も知らない「同期」たちが、自分と同じように不安を抱えていたことに少し安心している。「思うことは同じなのだな」と、なんとなく親近感を覚え、仲間意識が芽生えた。
一方で、(株)ラーニングエージェンシーの「第7回 新入社員のキャリアに関する意識調査」[2]によると、「今の会社で働き続けたいですか?」という問いに対し、「できれば今の会社で働き続けたい」と答えた新入社員は59.1%で、2016年から低下していた就社意識は5年ぶりに上昇した。また、同社の調査の中で「いざというときに専門性を活かして仕事をしていきたい」、「広範囲な知識・スキルが求められる仕事をしたい」と回答する人が2019年度に比べて増加している。この結果から私は、同社の分析と同様に、売り手市場で選択肢が多く比較的安心感があった頃から一転して、今回の緊急事態で先行きが不透明になったことで、今後万が一のことがあった場合にも対応できるよう、安定性と専門性を求める人が増えた結果なのだろうかと考えている。
実際、高校や大学時代の友人らと話していると、みな自分の就職先に満足している様子だ。私自身も同じ場所でじっくりスキルを磨きたいと思っているため、この結果には納得できた。
出社するようになってから約3週間が経ち、実際に働いたことで、出社前に感じていた職場環境や業務に対する不安はほとんどなくなった。何事も実践だと、実感している。新たな環境で、気持ちを新たに頑張っていきたい。
[1] https://www.disc.co.jp/press_release/7566/
[2] https://www.learningagency.co.jp/topics/20200428_2