エッセンシャルワーカーに敬意と感謝を

新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言の最中、注目を集めたエッセンシャルワーカー。私たちが生活を維持するために欠かせない職種に就いている方々を指し、医療福祉や行政サービス、公共インフラ、物流、保育、一次産業などがあげられる。「ステイホーム」を合い言葉に在宅時間が増加するなかでも、仕事に従事し私たちの生活を支えていたエッセンシャルワーカーは、多数のメディアで取り上げられ、広く認知されたのではないだろうか。


私のここ数カ月の生活を鑑みると、スーパーマーケットやインターネットを活用して食品や日用品の購入、仕事のため鉄道をはじめとする公共交通を利用している。これらの職種に従事する方々は、不特定多数の人と接する機会が多く、感染リスクは高まっていただろう。こういった方々に私たちの生活が支えられていることを改めて思うと、いくら感謝してもしきれない。さらに、現在も在宅勤務を続けているが、子どもが自宅にいる中での仕事のあり方を考えた際に、身をもって保育園の再開のありがたみを実感した。


他方で、エッセンシャルサービスにある公共交通を支えるタクシー事業に関して、2020年11月4日に国土交通省はある発表をした。それはタクシーの乗客が正当な理由なくマスクを着用しない場合、乗車を拒否できるという内容だ。運転者のみならず次に乗車する利用者の感染防止対策に資するものとして、東京都内の10の事業者が国交省に申請していた。今後、全国的に拡大する可能性もあるだろう。


タクシー業界のみならず、病院やスーパー、飲食店などをはじめとして、マスク着用を推奨している業界も多い。マスクの着用問題は様々なところで火種となっているが、こうした取り組みが国の制度として認可されることは良いことと思う反面、国が動かなければ変わらないことに対して少し残念にも感じてしまう。


私としては、個人の裁量でマスクを着用できることが望ましいが、マナーに反した行いをする人もいるため規制を設けても仕方がないと考える。


今後もマスクの着用は引き続き検討していくべき課題となるであろう。一人ひとりがエッセンシャルワーカーをはじめとする働く方々へ敬意と感謝を持って接すれば、少なくともそういった問題は起きにくくなるのでは思う。


私たちの生活に欠かせないマスクから感謝の輪が広がっていくようになれば、自ずと明るい未来が見えるのではないだろうか。

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