2021年は、より明るい日本になることを願って

師走の慌ただしさが始まり、2020年も残すところ3週間余り。今年は、新型コロナウイルスに翻弄され続けた1年となった。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛要請などによって企業経営にとって厳しい状況もあっただろう。加えて、「令和2年7月豪雨」などの自然災害、東京五輪の延期など暗い話題が多数あがってしまう。


そのようななかであっても、ここでは、今年起きた明るい話題や希望の光となるような出来事を振り返ってみる。


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まずはスーパーコンピュータの「富岳」。6月に計算速度などで世界一となり、現在、新型コロナウイルスの飛沫シミュレーションや、治療薬候補の探索などといった研究課題に活用されている。また7月には、将棋の藤井聡太二冠が17歳11カ月で棋聖となり、タイトル獲得の史上最年少記録を更新。この夏は高校総体や高校野球、さまざまなコンクールや大会が中止されるなか、若い力が日本中を明るくしてくれた。


さらに、10月の劇場版公開をはじめ「鬼滅の刃」が空前の大ブームとなり、映画は公開10日で興行収入100億円突破と日本映画の歴代最速を記録した。経済効果はコミックや関連グッズを合わせると2,700億円に達する可能性があると推計されている。TDB景気動向調査でも「鬼滅の刃の効果で回復基調」(遊技場)といった声が聞かれ、幅広い業種からうれしい悲鳴があがっている。


世界に目を向けると、人口、GDPともに世界全体の3割を占める巨大貿易協定、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)が署名され、地域の貿易・投資の促進及びサプライチェーンの効率化にむけた、知的財産や電子商取引等の幅広い分野のルールの構築が期待される。


振り返ると、新型コロナウイルスの影響でさまざまな行動が制限されているなかでも、明るい話題は日本に活気を与えてくれた。


2021年は1月に新たなアメリカ大統領の就任予定からはじまり、延期されていた東京五輪が7月に控える。秋までには衆議院議員総選挙が実施される。もちろん、新型コロナウイルスの動向も非常に気がかりである。


2021年も我々の生活や企業活動を取り巻く環境は刻々と変化するが、明るい話題であふれる1年になることを願うばかりである。

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