TDBマクロ経済見通し 2020・2021年度改訂(7-9月期GDP2次速報後)
2020年度は内外需とも大幅なマイナス
~ 感染拡大防止にともなう経済活動の抑制が懸念材料 ~
~ 感染拡大防止にともなう経済活動の抑制が懸念材料 ~
【要約】
- 2020年7~9月期GDP統計2次速報の公表を受け、帝国データバンクは2020・2021年度のマクロ経済に関する見通しを改定した。概要は以下の通り
- 2020年7~9月期の実質GDP成長率2次速報値は、1次速報の前期比+5.0%(年率+21.4%)から同+5.3%(同+22.9%)と上方修正された。4四半期ぶりのプラス成長。個人消費は娯楽や外食等のサービスが上方修正の要因となったほか、リフォーム・リニューアル工事などが反映された住宅投資が1次速報の同-7.9%から同-5.8%へと大きく上方修正された。
- 2020年度の実質GDP成長率は前年度比-5.3%、名目GDP成長率は同-4.5%と予測される。日本経済は新型コロナウイルスの影響による4~6月期の急速な落ち込みと反動増、さらに年度後半は足元の感染再拡大への対応にともなう下振れリスクを抱えながら推移すると見込まれる。公的需要が下支えするものの、個人消費や設備投資、住宅投資などの内需に加え、外需も大幅な下押し要因となる。
- 2021年の日本経済は、実質GDP成長率は前年度比+3.2%、名目GDP成長率は同+3.4%になると予測される。新型コロナウイルスへの対応を進めながら、新しい生活様式に適した需要の創出が期待される。内需では、5Gの本格的普及のほか、レジャー関連需要の拡大や訪日客の増加など、個人消費の持ち直しが見込まれる。
- 2020年7~9月期の2次速報と同時に、国民経済計算の基準改定が実施された。今回の基準改定では、2015年の「産業連関表」や「国勢統計」、「平成30年住宅・土地統計」などが反映されているほか、国際基準(2008SNA)への追加的対応も図られた。
このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。