TDBマクロ経済見通し 2020~2022年度改定(2021年2月)

2021年度は3年ぶりのプラス成長に転換
~ 2021年度末に感染拡大前のGDP水準を上回る見込み ~

【要約】

  1. 2020年10~12月期GDP統計1次速報の公表を受け、帝国データバンクは2020~2022年度のマクロ経済に関する見通しを改定した。概要は以下の通り
  2. 2020年10~12月期の実質GDP成長率1次速報値は、前期比+3.0%(年率+12.7%)となった。2四半期連続のプラス成長となったが、GDPの水準は新型コロナウイルスの感染拡大前(2019年10~12月期)に届いていない。個人消費が同+2.2%となり全体の成長率を1.2ポイント、輸出が同+11.1%で1.7ポイント押し上げた。より生活実感に近い名目GDPは、同+2.5%(同+10.5%)だった。なお、2020年通年は実質で前年比-4.8%と11年ぶりのマイナス成長となった。
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  4. 2020年度の実質GDP成長率は前年度比-4.9%、名目GDP成長率は同-4.3%と予測される。実質GDPは2年連続、名目GDPは8年ぶりのマイナス成長になるとみられる。日本経済は、新型コロナウイルスの影響による4~6月期の急速な落ち込みと反動増、さらに2度の緊急事態宣言の発出など、外部環境の変化に左右される。特に個人消費や設備投資、住宅投資、輸出など、内外需ともに大幅な下押し要因となる。
  5. 2021年度の実質GDP成長率は前年度比+3.7%、名目GDP成長率は同+3.5%になると予測される。感染拡大による経済活動への影響は徐々に薄らぎ、新しい生活様式にともなうさまざまな社会変化を捉えつつ、5Gの本格普及や世界経済の回復が見込まれるなか、3年ぶりのプラス成長に復帰するとみられる。
  6. 2022年度の実質GDP成長率は前年度比+1.9%、名目GDP成長率は同+2.3%になると予測される。新型コロナウイルスに対するワクチンの普及により、経済活動は段階的に正常化するとみられる。それにともない、飲食や宿泊、娯楽サービスなど外出自粛により大幅に縮小した業種の回復ペースが一段と加速していくと見込まれる。
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