新型コロナの影響は巣ごもり需要だけではない! プラスの影響がある業種が変化、ビジネス機会を見逃さずに!?
2021年10月1日より、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が全国で解除されました。徐々に人手が戻りつつあるなか、TDB景気動向調査(2021年11月)の景気DIをみても、前月比1.6ポイント増の43.1となり、3カ月連続で上向いています。感染拡大を抑える取り組みを引き続き行いつつ、国民生活、企業活動は動き始めている様子が表れています。
ただし、新たな変異株「オミクロン株」の出現により、政府は2021年11月30日から水際対策を強化するなど、企業からも「不安」や「懸念」といった声があがっています。
帝国データバンクが2021年11月に実施した新型コロナウイルス感染症が自社に与える影響に関する調査によると、『プラスの影響がある』企業は3.9%でした。それに加えて「影響はない」の24.7%と合わせて28.6%となり、約3割の企業でマイナスの影響は生じていないということが分かりました。
さて、新型コロナウイルスの感染の流行から1年半以上が経過しました。現在でも巣ごもり需要は継続しているものの、感染初期から振り返るとプラスの影響を受けてきた業種には変化がみられています。
まず、一斉休校などがあった2020年2月の感染初期は、マスクや消毒薬、トイレットペーパーが店頭から消える買い占め問題があり、医薬品などを扱うドラッグストアや量販店などの小売業が好調でした。さらに、消毒薬の生産が急増したことで、アルコールを扱う化学品製造や卸売に需要が殺到していました。
2020年4月に緊急事態宣言が全国で発出されて以降は、「巣ごもり需要」といった言葉が聞かれるようになり、総合スーパーなどを含む「各種商品小売」を中心に売り上げの拡大が起こりました。また、テレワークが各社で導入されると、プロバイダーをはじめとする「電気通信」や「情報サービス」が大きく伸び、加えて自宅内で過ごす時間の増加にともないケーブルテレビや動画配信サービスなどの「放送」で需要が拡大していました。とりわけ、「放送」は現在においても引き続きプラスの影響が続いています。
最新の動向をうかがうと、「教育サービス」関連で需要の拡大がみられています。授業の遅れを取り戻す動きなどから学習塾が復調しています。また、通勤やレジャーで遠出をするときなど、人との接触がある公共交通を避けるため自動車免許を保有する動きが目立ってきました。そのため、都内の教習所では、混雑状況から自動二輪教習やペーパードライバー教習などの受け入れ停止といった状況が発生しています。
また、「各種商品小売」や「飲食料品小売」などの巣ごもり需要に直結する業種で、プラスの影響が再び表れ始めています。
今後の動向を見通すと、巣ごもりに関連する業種は引き続き期待が大きく、年末年始にかけて嗜好品や高級品を扱う業種の需要も拡大傾向となるでしょう。加えて梱包・包装に関連する業種でも大きく伸びると予想されます。
売り上げが増加することで企業から企業へと経済の好影響が続いていくなか、実は我が社も!といったことが表れてくるでしょう。人出が増えている今だからこそ、社会経済の動向をしっかり捉え、ビジネスチャンスを掴んでいくことが重要といえそうです。