『値上げの夏』にとどまらない!再値上げ、再々値上げの動きも

商品・サービスなどの相次ぐ値上げに歯止めがかかりません。原油・原材料価格の高止まりや急激な円安などによる値上げが続いています。


帝国データバンクの調査でも、自社の商品・サービスについて、4割超(42.3%)の企業が「2022年4月~5月の間にすでに値上げした」と回答していました[1]。また、「6月に値上げした、または予定する」企業は14.1%、「7~9月ごろに値上げを予定する」企業は19.9%と夏にかけて増加がみられています。


食品に限っても、主要105社で7月以降4,500品目以上の値上げが予定されています[2]。


さらに値上げの動向について、前述の「2022年4月~5月の間にすでに値上げした」企業720社について詳しくみると、今後1年間で約4社に1社は再値上げを予定していました。内訳は、「再値上げ」は13.3%、「再々値上げ」は7.9%、「4回以上の値上げ」は4.4%となっています。

【図表1 値上げ回数の状況~2022年4月~5月に値上げした企業の動向①~】

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特に複数回の値上げを予定する企業からは「標準小売価格の改定が五月雨式に実施されており、都度の対応としている」(精密機械器具卸売)や「仕入先から2割を超える値上げが来ており、自社で持ちこたえることはできない」(塗料卸売)などといった声があがっていました。


また、4月~5月に値上げし、夏頃に値上げを予定する企業は17.6%、4月~5月に値上げし秋冬頃に値上げを予定する企業は8.1%となっており、『値上げの夏』にとどまらず、秋や冬にかけても値上げが相次ぐと予想されます。

【図表2 値上げ動向(複数回答)~2022年4月~5月に値上げした企業の動向②~】

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これまで企業努力で持ちこたえていましたが、急激なコストアップが各企業を襲っており、値上げラッシュは当面続いていくでしょう。


一方で、「官庁関係など年間契約のため年度途中での値上げはできない」(化粧品卸売)というように、契約の関係で値上げが厳しいといった声も聞こえていきます。


今後、夏休みをはじめとする大規模なレジャーシーズンが到来します。徐々に行動制限が緩和され明るい兆しがあるなかで、この値上げの波は、消費者の購買意欲を低下させ、日本経済に大きなマイナスへ作用するかもしれません。



[1] 帝国データバンク「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート(2022年6月)」
[2] 帝国データバンク「【速報】「食品主要105社」価格改定動向調査(6月)」

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