「全国旅行支援」がスタート、国内景気への影響はいかに?

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10月11日から、東京都を除く46道府県で「全国旅行支援」が始まりました。


「全国旅行支援」は、以前実施されていた「Go To トラベル」や「県民割」と同様の、政府が実施する観光需要喚起策です。1人1泊あたりの割引上限はあるものの、旅行代金の40%相当が割引されます。


9月後半に実施したTDB景気動向調査にも、観光業を中心に「全国旅行支援」へ期待する声が寄せられています。

  • Go To トラベルに代わる全国旅行支援が始まると団体旅行も動いてくる(旅行代理店)
  • 政府による全国旅行支援がスタートすると観光客が増加すると考えている(旅館)
  • 新型コロナウイルス第7波の終焉が視野に入り、さらに外国人入国者数の制限解除と全国旅行支援が始まる(普通洗濯)

一方で、「全国旅行支援がスタートすれば3カ月後は旅行客が全国に流れる。ただ、その先はコロナ融資の返済が始まり、企業としては過酷な状況が続き倒産が増える」(旅館)など、厳しい声もあがっています。


図:旅館・ホテル業の景気DI(2019年1月~2022年9月)

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「全国旅行支援」が始まることで、国内景気にどのような影響を与えるのでしょうか?上記の図は、旅館・ホテル業の2019年から2022年までの景気DI、設備稼働率DI(対前年同月)、雇用過不足DI(正社員)を示しています。


旅館・ホテル業の景気DIは、新型コロナウイルスの感染拡大にともない2020年1月から急落し、2020年4月には1.5という過去に類を見ない水準まで低下。2020年7月から「Go To トラベル」が始まり、2020年11月には28.8まで回復したものの、2021年以降は再び緊急事態宣言の発出・感染拡大が続き、景気DIは低調に推移していました。


2022年4月以降、景気DIは回復傾向となり、2022年9月調査では37.4と厳しいながらもコロナ禍前の水準に戻りつつあります。また、2022年9月時点での先行き見通しDIも、それぞれ「3カ月後」(45.9)、「6カ月後」(47.9)、「1年後」(52.7)と改善する見込みで、特に「1年後」は景気判断の目安となる「50」を上回る水準となっています。


旅館・ホテル業の景況感の回復が見込まれる一方、今後は人手不足による影響が懸念されます。実際に、2022年9月の雇用過不足DIは66.3とコロナ禍前と同水準まで上昇しています。水際対策も緩和され海外からのインバウンド需要も期待されるなか、今後膨らむ需要に対し、旅館・ホテル業など供給側で対応が困難になることが予想されます。

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