お酒の景況感。飲酒機会は増加したが、景気はどのように変化した?
国内景気は、新型コロナの感染者数の落ち着きやマスク着用ルールの緩和にともない消費者のマインドが明るくなるなどアフターコロナに向けた動きが加速しています。
3月のTDB景気動向調査においても、旺盛な旅行需要や卒業、送別会にともなう消費活動が押し上げ要因となりました。
特に、この1~2カ月ほど街を見ても飲食店へなだれ込む集団を見かけるようになりました。また、東京の上野公園などでは4年ぶりにシートを広げての花見が解禁となるなど、各所で明るい話題も聞かれました。
では、実際の景況感はどのようになっているのか、以下で確認してみましょう。
2019年1月から23年3月までのアルコール飲料関連DI[1]をみると、1回目の緊急事態宣言が発出された20年4月にどん底の5.0を記録。以降、感染者数の増減などに左右されながら、直近は改善傾向が続き、23年3月は全体の景気DIを上回る46.3となりました。
やはり街の賑わいと比例して、景況感も良くなってきています。
ゴールデンウイーク、「5類」移行、夏休みなどを通じて、今後も外出意欲が高まることが予想されるほか、さらに、秋にはビールの酒税が引き下げられるなど、取り巻く環境に期待が持てそうです。
ただし、原材料価格の高騰にともなう値上げなど悪材料もあり、街の賑わい状況とともに業界の動向を注視していく必要はあるでしょう。
[1]「アルコール飲料関連DI」は、「果実酒製造」「清酒製造」「蒸留酒・混成酒製造」「酒類卸売」「酒小売」「酒場,ビヤホール」の景気DIから算出
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