日本社会は問題だらけ!?
働き方改革が進展していく一方で、かねてより懸念されている2024年問題が迫っています。
そもそも2024年問題とはどういったことかおさらいしてみますと、2024年4月1日より建設業、トラック・バス・タクシードライバー、医師などの職業で、5年間猶予されていた時間外労働の上限規制が適用されることで生じる諸問題を指します。
特に、建設業や運輸業において、人手不足による工期の長期化や停滞、配送スケジュールの遅延などさまざまな問題が想定されています。
帝国データバンクの調査でも、やはりサプライチェーン全体に関わる「物流」の2024年問題に対して約7割の企業でマイナスの影響があると捉えていました。国のとりまとめでも、何も手立てを打たなければ、2024年は14.2%の輸送能力が足りなくなるという試算(対2019年比)もあり、企業の危機意識の高さにもうなずけます。
さて、前述の3業種以外にも時間外労働の上限規制が猶予されていた、意外な業種があります。それは、鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業です。
サトウキビは収穫後の長期保存が難しく、製糖期に集中する業務では季節工などを雇い2交代制で24時間の操業を行うなど、長時間労働が余儀なくされてきました。
今後は3交代制にするなど時間外労働を避ける施策が必要ですが、製糖工場は離島に多く、単純に人材が少ないことが考えられます。それ以外にも、娯楽の充足度などの課題もあると言え、人材の確保は都市部以上に困難を極めそうです。もしかすると、私たちの食生活の危機に繋がるかもしれません!?
さらに今後も「団塊の世代」がすべて後期高齢者に突入することで生じる諸問題を指す「2025年問題」や、日本企業のDXが進まなかった場合に予想される2025年以降の経済損失を総称して「2025年の崖」など、数多く困難な場面が予想されています。
企業や私たち国民には、今後もさまざまな問題が待ち受けており「日本社会は問題だらけ!?」かもしれませんが、持ち前の我慢強さや創意工夫といった取り組みで乗り越えて行けるはずです。