日本の経済は、地方が支えている!?

日本の基幹産業である自動車産業。
日本自動車工業会によると、自動車関連産業に直接的または間接的に従事する就業人口は約554万人と言われています。さらに、全製造業の製造品出荷額等に占める自動車製造業の割合は15%以上にのぼっています。自動車産業の裾野は、資材調達・製造をはじめ販売・整備・運送など幅広い分野にわたり、日本の経済を支える重要な産業です。


一方で、自動車産業が傾けば日本経済へのダメージも大きいと言い換えることも出来ます。


例えば、ダイハツ工業の不正問題は、全国で8,000社を超える企業に影響が生じると推計[1]されていました。TDB景気動向調査においても、工場の操業が一時停止したことにともない、関連部品の受注が停止し自社の企業活動に悪影響があると複数の企業から声が寄せられていました。


私自身は首都圏に住み普段から自動車に触れていない生活をしているため、自動車の重要性をあまり理解できていないのかもしれません。


しかし地方部においては、一家に1台にとどまらず、一人1台という地域も少なくないでしょう。自動車の不正問題に端を発した自動車の出荷停止や納車延期などの影響は、生活の足を確保するうえで喫緊の課題だったと言えます。


実際に自動車の保有台数をみると、全国で約6,230万台[2]あるうち、1都3県で約20%保有している一方で、残りの8割は地方部が占めています。


地方部での自動車利用が大きく減少すれば、日本経済へ深刻なダメージを与えてしまうのかもしれません。この数字のボリュームから日本の基幹産業を支えているのが地方と言えるのではないでしょうか。


昨今、高齢者の免許返納の推進やデマンド交通(予約制の相乗り型の交通サービス)など、公共交通の充実を掲げる地域があるほか、コンパクトシティを目指す地方都市もあります。


しかし、日本経済の根幹を支える地方部における自動車利用が極端に減少することがないような取り組みは、実は極めて重要と言えそうです。


[1]帝国データバンク「ダイハツ工業のサプライチェーン調査」(2023年12月21日)
[2]自動車検査登録情報協会「都道府県別・車種別保有台数(軽自動車含む)・乗用車」(令和6年1月末現在)










このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。