燃えあがれ!奮戦・決戦・超熱戦
パリ五輪の開催が来月に迫っている。スポーツが大好きな私は、日々近づく五輪が楽しみで仕方がない。トップアスリート達が奮戦する姿に私は感動と興奮を覚え、いつも手に汗を握って応援している。ゴール前での互いに一歩も譲りあわない決戦や激しい熱戦を終えた後に選手同士で称えあう場面など、気分が燃えあがるシーンは数えきれないほどある。
なかでも、最もボルテージが上がるときは、世界記録の更新だ。2009年、ドイツ・ベルリン世界陸上大会の100 m走決勝で9秒58を記録したウサイン・ボルトのレースが脳裏に焼きついている方も多いのではないだろうか。当時、私は小学生低学年であったが、あの衝撃は今でもはっきりと覚えている。
そこで、今大会、記録にも記憶にも残るような結果を出すかもしれない必見の出場選手を2人紹介する。
1.アルマンド・デュプランティス(男子棒高跳)
24歳の男子棒高跳スウェーデン代表。イケメン。2020年2月8日(当時20歳)に6.18 mを跳び、当時の世界記録を1 cm更新すると、現在までに自身の世界記録を計8回も更新している。最新の世界記録は2024年4月20日に記録した6.24 mであり、7月7日に開催される五輪前最後の大会でのコンディション次第では、パリ五輪で9回目、もしくは10回目の新記録が生まれる可能性も十分にあるため、見逃せない。
2.ヤコブ・インゲブリクトセン(男子長距離走)
23歳の男子長距離走ノルウェー代表。五輪出場競技は、1,500 m走と5,000 m走の予定だ。男子2,000 m走(五輪競技ではない)の世界記録保持者であり、記録は4分43秒13。これだけではどれほどの凄さかピンとこない方も多いと思うので、50 m走に換算して考えてみよう。すると、50 mを約7秒08で走っていることになる。文部科学省の2023年度体力・運動能力調査によると、6 ~ 19歳で50 m走の平均タイムが最も速い男子は17歳の7秒24[1]であり、一般的な高校生の全力疾走より速いペースで2,000 mを走り続けていることが分かる。まさにその走りは異次元であり、こちらも見逃せない。
スポーツにおけるスター選手の存在はその発展や興行に欠かせない。その選手に憧れて始める人、見たいから会場に足を運ぶ人も少なくないだろう。実際、リオデジャネイロ五輪が行われていた2016年8月に実施した景気動向調査からは、「五輪景気により、改善の兆候が見られる」(スポーツ用品小売)や「リオ五輪の盛り上がりによって、しばらくは親の子供への投資が増加すると見込まれる」(個人教授所)といった企業の声が聞かれた。
今まで、不滅の記録といわれていたものが何度も塗り替えられ、また不滅の記録と呼ばれるようになる。私は、そんな記録を更新していく新時代のスターが現れることに胸を躍らせながらパリ五輪の開催を指折り数えている。
[1]スポーツ庁「体力・運動能力調査令和5年度(速報)」(e-Stat政府統計の総合窓口)