TDB景気動向調査(全国)

- 2016年5月調査 -

 

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2016年6月3日
株式会社帝国データバンク

消費停滞に加え、燃費不正や熊本地震が景気下押し

〜 消費税率引き上げ延期の効果に期待 〜

(調査対象2万3,586社、有効回答1万588社、回答率44.9%、調査開始2002年5月)

調査結果のポイント

  1. 5月の景気DIは前月比0.6ポイント減の41.8となり2カ月連続で悪化した。熊本地震による操業停止の影響が部品調達などで表れたほか、企業の設備投資意欲は慎重姿勢が続き、個人消費停滞の影響が広がるなか、国内景気は悪化した。今後の景気は、生産・消費の回復に向けた好材料も乏しく、弱含みで推移するとみられる。
  2. 業界別では『金融』『製造』『小売』『サービス』など7業界が悪化、『不動産』など2業界が改善、『運輸・倉庫』が横ばいとなった。家計所得が伸び悩むなか、消費者の節約志向、選別志向が高まり価格競争も激しさを増しており、個人消費関連の悪化が目立った。
  3. 『北海道』『北関東』『北陸』を除く7地域が悪化。特に、大手自動車メーカーの燃費データ不正問題の影響を受け前月比4.8ポイント減少した「岡山」を含む『中国』、地震被害から同6.8ポイント減少した「熊本」を含む『九州』で大幅に景況感が悪化した。


2016年5月の動向 : 悪化

 2016年5月の景気DIは前月比0.6ポイント減の41.8となり2カ月連続で悪化した。

5月は、熊本地震による操業停止の影響が部品調達などで表れたほか、家計所得の伸び悩みにより個人消費関連が弱含みで推移した。また、マイナス金利導入で住宅ローン金利や企業の借入金利は低下したものの、経済の先行き不透明感が高まるなかで、企業の設備投資意欲には慎重な姿勢が続いた。さらに、大手自動車メーカーによる燃費データ不正問題の影響が長引くなか、主要な工場等を抱える地域や取引先の景況感が悪化する要因となっている。消費税率引き上げ延期に向けた動きや、公共工事や住宅着工戸数は増加傾向が続いたことは好材料となるものの、悪材料は多く総じて停滞感が漂っている。個人消費停滞の影響が広がるなか、熊本地震による生産や観光関連への影響も加わり、国内景気は悪化した。

今後の見通し : 弱含みで推移

 今後の国内景気は、消費税率引き上げ延期や熊本地震からの早期の復旧・復興、新興国の経済動向に影響されるとみられる。国内要因では、マイナス金利政策の効果が徐々に住宅投資や設備投資に波及すると期待されるほか、訪日旅行客の増加による観光消費の拡大は引き続き好材料となる一方、消費税率引き上げ延期で駆け込み需要は期待できなくなる。しかしながら、個人消費は、消費の基盤となる家計の実質所得が上昇することで、消費の回復に向けて歩みを進めるべきであろう。他方、海外要因では、中国経済の下振れに加え、米国の利上げにともなう新興国市場の不安定化などがリスク要因となる。今後の景気は、生産・消費の回復に向けた好材料も乏しく、弱含みで推移するとみられる。



※景気予測DIは、ARIMAモデルに経済統計を加えたstructural ARIMAモデルで分析

業界別:『小売』が3カ月ぶりに悪化、個人消費関連の落ち込み目立つ



※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

規模別:先月に続き全規模で悪化

※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

地域別:燃費不正問題で『中国』、熊本地震で『九州』が悪化、ともに影響続く





※網掛けなしは前月比改善または増加、黄色の網掛けは前月比横ばい、青色の網掛けは前月比悪化または減少を示す

業界別の景況感 企業の声1(農・林・水産〜製造)


業界別の景況感 企業の声2(卸売〜サービス)


調査先企業の属性

1)調査対象(2万3,586社、有効回答企業1万588社、回答率44.9%)




2) 調査事項

3) 調査時期・方法

2016年5月18日〜31日(インターネット調査)

景気動向指数(景気DI)について

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

 全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を主目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万社以上を対象に実施している月次の統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

 全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法

 DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ下表カッコ内の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。


 50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる。なお、小数点第2位を四捨五入している。また、DIの算出においては、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」の単純平均の形をとっている。

■企業規模区分

 企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に、中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分している。


注1:中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが上位3%の企業を大企業として区分
注2:中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで、業種別の全国売上高ランキングが下位50%の企業を中小企業として区分
注3:上記の業種別の全国売上高ランキングは、TDB産業分類(1,359業種)によるランキング

■景気予測DI

 景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。

【問い合わせ先】株式会社帝国データバンク 顧客サービス統括部 産業調査グループ 情報企画課
担当:窪田剛士、伊藤由紀
Tel:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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