2018年7月の景気動向調査
国内景気は4カ月ぶりに改善、猛暑が消費を刺激
■調査結果のポイント
- 2018年7月の景気DIは前月比0.5ポイント増の49.5と、4カ月ぶりに改善した。国内景気は、集中豪雨が被災地を中心に企業活動の停滞を招いた一方、猛暑や賞与が消費を刺激し4カ月ぶりに改善、国内景気は足踏み状態となった。今後は、輸出や設備投資の堅調な推移が国内景気を下支えすることに加え、災害からの復興需要が表れると見込むものの、貿易摩擦などの海外リスクや原油高による影響が懸念される。
- 10業界中『小売』『運輸・倉庫』など8業界が改善し、2業界が悪化した。連日の猛暑が季節商品へプラスに働いたほか、夏季賞与の支給額増を追い風に耐久財関連が改善した。他方、豪雨災害は企業活動に悪影響を及ぼした。
- 『東北』『北関東』など10地域中9地域が改善、『中国』が悪化した。平成30年7月豪雨の影響で企業活動の停滞がみられた一方、『東北』や『北関東』では建設業やレジャー関連などが押し上げ要因となった。
< 2018年7月の動向 : 足踏み状態 >
2018年7月の景気DIは前月比0.5ポイント増の49.5となり、4カ月ぶりに改善した。
7月の国内景気は、関東甲信越で観測史上最も早く梅雨が明けるなど全国各地で記録的猛暑が続いたことや、夏季賞与の支給額増加が追い風となり、耐久財や季節商品など個人消費が拡大し景況感を押し上げた。一方、平成30年7月豪雨は被災地で人的・物的に甚大な被害をもたらし、ライフラインの寸断や企業活動の停滞など『中国』地域の景況感悪化に影響した。
国内景気は、集中豪雨が被災地を中心に企業活動の停滞を招いた一方、猛暑や賞与が消費を刺激し4カ月ぶりに改善、国内景気は足踏み状態となった。
< 今後の見通し : 局面変化の可能性 >
国内景気は、世界経済の回復を受け輸出の増加基調が続き、高水準の企業収益などを背景に設備投資が堅調に推移すると見込まれる。個人消費は緩やかな回復が予想されるものの、原油高を通じたエネルギー価格上昇などから弱含む可能性がある。また今後、平成30年7月豪雨による災害や大阪府北部の地震にともなう復興需要が地域の景況感を押し上げると見込まれる。一方で、自動車分野における日米間の通商交渉の行方や、世界的な貿易摩擦の激化、中国や欧州の景気減速懸念などの海外リスクを抱える。
今後は、輸出や設備投資の堅調な推移が国内景気を下支えすることに加え、災害からの復興需要が表れると見込むものの、貿易摩擦などの海外リスクや原油高による影響が懸念される。
このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。報道目的以外の利用につきましては、著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。