2019年2月の景気動向調査
景気DI、3カ月連続で悪化
■調査結果のポイント
- 2019年2月の景気DIは前月比0.9ポイント減の47.2となり、3カ月連続で悪化した。国内景気は、中国向け輸出の減速や自動車関連の低迷に加え、人手不足やコスト負担増も悪影響を及ぼし、後退局面入りの兆しがみられている。今後の国内景気は、設備投資や個人消費が下支えする一方、消費税率引き上げ後の消費落ち込みや海外リスクの高まりが懸念され、不透明感が一層強まっている。
- 10業界中、『その他』を除く9業界が悪化。輸出減速や自動車関連の低迷を受けた『製造』が2017年2月以来2年ぶりの低水準となったほか、『サービス』は人手不足が悪材料となった。
- 『東北』『北陸』『東海』など10地域中8地域が悪化、『北海道』『四国』の2地域が改善した。不動産価格の高止まりや金融機関による投資用不動産への融資姿勢の消極化などが続いたこともあり、『不動産』は9地域で悪化。さらに、中国の景気減速などによる輸出の減少も地域経済へのマイナス要因となった。
< 2019年2月の動向 : 後退局面入りの兆し >
2019年2月の景気DIは前月比0.9ポイント減の47.2となり、3カ月連続で悪化した。
2月の国内景気は、機械および半導体関連で中国向け輸出の減速が続いたほか、自動車における中国市場や国内生産での低迷が、マイナス要因となった。人手不足の深刻化がサービス業や建設関連で悪材料となったほか、原材料価格や運送費の上昇によるコスト負担も重荷となった。一方で、中国の春節にともなう大型休暇などを背景とした訪日外国人観光客数の増加は、一部でプラス材料となった。
国内景気は、中国向け輸出の減速や自動車関連の低迷に加え、人手不足やコスト負担増も悪影響を及ぼし、後退局面入りの兆しがみられている。
< 今後の見通し : 不透明感が一層強まる >
今後は、省力化需要および公共投資の増加に加え、消費税率引き上げの駆け込み需要や改元などの国内イベントにより、消費やインバウンド需要の一時的な拡大が期待される。そのため、設備投資や個人消費が国内景気を下支えすると見込まれる。一方で、消費税率引き上げ後の消費落ち込みや人手不足などによるコスト負担増が懸念される。輸出は、日欧EPAの発効がプラス材料ながら、中国や欧州の景気減速にともない低調に推移すると予想される。また、米中貿易摩擦の激化や英EU離脱、日米通商交渉の行方など、海外を中心とするリスクが高まれば、国内景気を下押しすることが懸念される。
今後の国内景気は、設備投資や個人消費が下支えする一方、消費税率引き上げ後の消費落ち込みや海外リスクの高まりが懸念され、不透明感が一層強まっている。
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