2020年4月の景気動向調査
国内景気、急速な悪化が継続
■調査結果のポイント
- 2020年4月の景気DIは前月比6.7ポイント減の25.8となり7カ月連続で悪化、前月に続いて過去最大の下落幅を更新した。国内景気は、経済が収縮するなかで活動が大きく制約され、急速な悪化が続いた。今後は、新型コロナウイルスの収束など不確実性が強く、景気後退が続くと見込まれる。
- 全10業界、51業種中48業種が悪化した。『建設』『製造』『卸売』の3業界、「輸送用機械・器具製造」など14業種で前月からの下落幅が過去最大となった。また14業種で景気DIが過去最低となった。
- 新型コロナウイルスの影響が全国におよび、2カ月連続で全10地域47都道府県が悪化、24都府県で過去最低を更新した。外出自粛による地域内外への移動制限や面談抑制に加えて、休業要請への対応など、地域経済の活動が停滞した。「大企業」「中小企業」「小規模企業」が7カ月連続でそろって悪化した。
< 2020年4月の動向 : 収縮 >
2020年4月の景気DIは前月比6.7ポイント減の25.8となり7カ月連続で悪化、前月に続いて過去最大の下落幅を更新した。景気DIは過去3カ月で16.1ポイント減少した。
4月の国内景気は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に向けて、政府が緊急事態宣言を発出、経済活動が大きく制約された。外出自粛や休業の広がりなどを通じて市場機能の多くが制限されるなか、国内・海外需要が急速に冷え込んだ。消費税率引き上げの影響が継続しているほか、新型コロナウイルスの影響でヒト・モノ・カネの流れが地域・業種・企業規模を問わず停滞し、国内経済を下押しした。他方、宅配事業などで新しいサービスが誕生したほか、スーパーや医薬品小売などは改善した。
国内景気は、経済が収縮するなかで活動が大きく制約され、急速な悪化が続いた。
< 今後の見通し : 後退続く >
今後の国内景気は、新型コロナウイルスの収束状況が先行きを左右する。国際経済において世界大恐慌以来の落ち込みが予測されるなか、企業や個人、金融市場などは不確実性の高まりに直面するとみられる。企業の67%で4月の売り上げ減少が見込まれるなど、企業業績の悪化にともなう雇用・所得環境の不安定化などは景気の重しとなろう。また、消費者の行動変化や供給側の対応が注視される。他方、政府の緊急経済対策や日本銀行による金融緩和政策の強化が実施されるほか、生産の国内回帰や新商品・サービスの投入などは好材料になると見込まれる。
今後は、新型コロナウイルスの収束など不確実性が強く、景気後退が続くと見込まれる。
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