2020年9月の景気動向調査
国内景気は持ち直しの動きも、業種により差
■調査結果のポイント
- 2020年9月の景気DIは4カ月連続で前月比プラス(1.9ポイント)の31.6となった。国内景気は、業種によって回復に差がみられたものの、持ち直しの動きが表れた。今後の景気は、良化・悪化要因を抱えながら、横ばい傾向が続くと見込まれる。
- 10業界中9業界、および51業種中45業種で前月からプラスとなった。多くの業種で持ち直しの動きとなったものの、『サービス』や『建設』などでは、業種により回復速度に差がみられた。
- 『南関東』『東海』『中国』など全10地域、43都道府県がプラスとなった。主力産業の持ち直しが地域経済を押し上げた。またテレワークなど働き方の変化により都市周辺における郊外エリアの景況感にプラス要因となった。「大企業」「中小企業」「小規模企業」がいずれも4カ月連続で上向いた。
< 2020年9月の動向 : 下げ止まり >
2020年9月の景気DIは4カ月連続で前月比プラス(1.9ポイント)の31.6となった。
9月の国内景気は、堅調な公共工事や連休中の外出増、緩やかに上向いた設備投資意欲などがプラス要因となった。自宅内消費の拡大やリモートワークの広がりによる住宅ニーズの高まりなどもみられた。また、5G(第5世代移動通信システム)やインターネット接続にともなう電気通信工事も活発だった。他方、新型コロナウイルスの影響が続くなか、景況感の持ち直しは業種により温度差が表れる傾向もみられた。
国内景気は、業種によって回復に差がみられたものの、持ち直しの動きが表れた。
< 今後の見通し : 横ばい >
今後1年程度の国内景気は、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動再開のバランスが一段と重要性を増していくとみられる。新しい生活様式に対応した需要創出のほか、外食や旅行、レジャー関連などへの支出の持ち直しが期待される。また挽回生産や自国生産の拡大による設備投資などもプラス要因となろう。他方、新型コロナウイルスなどの感染状況次第では、消費者マインドの後退や雇用・所得環境の悪化、政府による活動自粛の再要請などが懸念される。また新政権の政策や海外経済の回復状況も注視する必要がある。
今後の景気は、良化・悪化要因を抱えながら、横ばい傾向が続くと見込まれる。
このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。報道目的以外の利用につきましては、著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。