2021年1月の景気動向調査
国内景気は2カ月連続で悪化
■調査結果のポイント
- 2021年1月の景気DIは前月比1.1ポイント減の33.9となり、2カ月連続で悪化した。国内景気は、緊急事態宣言の再発出などで個人消費関連を中心に2カ月連続で悪化した。今後の景気は、一時的な後退はみられるものの、春頃を底として、緩やかに上向いていくとみられる。
- 10業界中、9業界が悪化した。11都府県で緊急事態宣言が発出され、個人消費関連の業種で景況感がさらに下押しされた。また、世界的な半導体不足により自動車メーカーの減産もみられるなか、『製造』は8カ月ぶりの悪化となった。
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『南関東』『北陸』『近畿』など9カ月ぶりに全10地域がそろって悪化した。11都府県への緊急事態宣言の再発出で個人消費関連が大きく落ち込んだほか、日本海側を中心とした寒波や記録的な大雪などが下押し要因となった。都道府県別では37都道府県が悪化した。規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」がいずれも2カ月連続で悪化した。
< 2021年1月の動向 : 悪化が継続 >
2021年1月の景気DIは前月比1.1ポイント減の33.9となり、2カ月連続で悪化した。
1月の国内景気は、11都府県で2回目となる緊急事態宣言が発出され、外出自粛や飲食店を中心とした営業時間の短縮要請などが実施されたことで、再び下押し圧力が強まった。また、政府による各種支援策の一時停止や、企業の出張が抑制されたことなどで宿泊業界が一段の悪化となった。日本海側を中心とした寒波と記録的な大雪などによる個人消費の落ち込みのほか、自動車メーカーの減産の影響もみられた。他方、半導体製造装置が高水準で推移したほか、パソコンや暖房器具などを含む自宅内消費関連は上向き傾向が続いた。
国内景気は、緊急事態宣言の再発出などで個人消費関連を中心に2カ月連続で悪化した。
< 今後の見通し : 一時的に後退 >
今後1年程度の国内景気は、緊急事態宣言の延長による影響のほか、社会経済活動の抑制などにともなう下振れリスクを抱えつつ推移すると見込まれる。新型コロナウイルスの感染状況次第ながら、地域間や業種間で景気動向が二極化していく可能性もある。また、雇用・所得環境の悪化による個人消費への影響は懸念材料であろう。他方、ワクチン接種の開始による経済活動の正常化に向けた動きに加え、自宅内消費など新しい生活様式に対する需要の拡大、米国や中国など海外経済の回復などはプラス要因になるとみられる。
今後の景気は、一時的な後退はみられるものの、春頃を底として、緩やかに上向いていくとみられる。