DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関する企業の動向アンケート

本格的なDXへの取り組みは約1割にとどまる

デジタル技術の進展や消費者ニーズの多様化によってビジネス環境が激しく変化するなか、企業が生き残るためにはその変化に合わせて、データとデジタル技術を活用した製品やサービス、ビジネスモデルの変革によって競争上の優位性を確立させる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が求められています。そこで、帝国データバンクは、DXに関する企業の動向についてアンケートを行いました。


  • 2021年12月2日~7日、有効回答企業数は1,614社(インターネット調査)

  • アンケート結果

    1. 本格的なDXへの取り組みである「デジタル技術を活用して商品・サービスの変革」は1割にとどまる

      DXおよびデジタル化などDX推進に向けた取り組みを実施している企業は81.8%、取り組んでいない企業は17.0%となりました。取り組んでいる企業で、その具体的な内容は「オンライン会議設備の導入」(61.9%)や「ペーパーレス化」(60.6%)などDX実現の初期段階の取り組みである業務環境のオンライン化などが上位を占めました。
      一方で、デジタル技術を活用して「既存製品・サービスの高付加価値化」(11.7%)および「新規製品・サービスの創出」(10.8%)といったDXへの本格的な取り組みを進めている企業は1割にとどまっています。企業からは「国立大学と共同してAIを活用した製品を開発した」(サービス、岡山県)といった声が聞かれる一方、「小規模企業として、DXに取り組むには費用がかかる」(製造、長野県)といった費用面に対する懸念もみられました。


    2. 【図表1 DX推進に向けた取り組みの内容(複数回答) 】

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    3. 企業規模によってDX推進に向けた取り組みに濃淡がみられる

      規模別にみると、「大企業」は、「オンライン会議設備の導入」が8割超にのぼったほか、ペーパーレス化やリモート設備の導入なども半数以上の企業で推進しています。他方、「中小企業」においても、半数以上の企業でペーパーレス化などを進めていますが、ほとんどの項目で「大企業」を下回っています。


    本アンケートの結果、企業の本格的なDXへの取り組みは進んでいないことが明らかになりました。新型コロナウイルスの感染拡大を機に業務環境のオンライン化の急速な進展によってDX推進の初期段階はクリアできているものの、ビジネスモデルや組織マインドの変革のような本格的な取り組みに着手できている企業は多くありません。本格的なDX実現に向けて、企業は社会のニーズを見極め、デジタル技術を活用してビジネスの変革を行うことが求められます。


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