3回目のワクチン接種に関する企業の取り組みアンケート
3回目の新型コロナワクチン、約2割の企業で職域での接種を実施・検討
ただし、企業の多くは自治体での接種を推奨
ただし、企業の多くは自治体での接種を推奨
新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の新規感染者数が急増するなか、2022年2月7日、岸田首相はワクチン接種に関し、早期に1日100万回を目指すと表明しました。加えて、職域接種の要件緩和や早期実施などで政府は、3回目の新型コロナワクチンの接種を加速させています。
そこで、帝国データバンクは、新型コロナワクチンの3回目の接種に関して企業の取り組みについてアンケートを行いました。
- アンケート期間は2022年2月10日~15日、有効回答企業数は1,842社(インターネット調査)
調査結果
企業の62.1%は各自の居住地での接種を推奨
3回目の新型コロナワクチン接種に関して、自社の具体的な取り組み内容について尋ねたところ、6割超の企業で「各自の居住地(自治体)での接種を推奨」(62.1%)と回答していました(複数回答、以下同)。次いで、自衛隊が行う大規模接種や行政が行う集団接種などを含む「大規模接種会場での接種を推奨」(21.0%)、商工会議所など「各中小企業団体が主催する共同接種に参加」(10.4%)が上位に並んでいます。他方、任意接種のためなどの理由から「取り組む予定はない」企業は22.2%となっています。企業からも「1回目・2回目の接種は会社として各自接種を推奨したが、3回目の接種に関しては推奨する予定はない。各自の意思に任せるつもり」(メンテナンス・警備・検査、兵庫県)といった声があがっています。
また、職域関連での接種を実施・検討する企業[1] は、22.3%となりました。
3回目のワクチン接種に関する具体的な取り組み内容
企業規模によって取り組み内容に濃淡も
規模別に具体的な取り組み内容をみると、「大企業」では、大規模接種会場での接種の推奨や取引先企業などとの合同接種が「中小企業」より10ポイント近く高くなりました。他方、「中小企業」では、62.9%の企業で居住地(自治体)での接種を推奨しており、「大企業」より6.3ポイント上回っています。企業からは「自社では、現在のところ各自の居住地にて対応している。企業内での接種は実施していない」(運輸・倉庫、栃木県)といった声も聞かれました。
企業規模によって取り組み内容にやや濃淡が表れる結果となっています。具体的な取り組み内容~規模別~
まとめ
本調査の結果、3回目のワクチン接種に関して6割超の企業で居住地での接種を推奨していました。また、職域接種に関わる取り組みについては、約2割で実施・検討されています。
一方で、政府のワクチン接種への取り組み姿勢について、スピード感が欠如しているといった指摘もみられていました。政府には、経済対策だけでなく迅速な感染対策も引き続き求められています。
【参考:3回目のワクチン接種に関する企業からの意見(抜粋)】
■何らかの施策に取り組んでいる企業- 政府、自治体は頑張ってスピーディーに進めてほしい(娯楽サービス、福岡県)
- 地域差もあるだろうが、中小企業での集団接種は極めて難しい(鉄鋼・非鉄・鉱業、群馬県)
- 3回目の接種券が届いたら出来るだけ早く接種することを推奨する(旅館・ホテル、茨城県)
- グループ会社の同業他社と合同で職域接種を予定している(建材・家具、窯業・土石製品製造、東京都)
- 2回目までは、親会社の取引先企業と合同接種と自治体の接種を強く勧めましたが、3回目の接種については、副反応のこともあり個人の判断にまかせようと考えている(専門サービス、愛知県)
- なぜ治験中のワクチンを従業員に勧めないといけないのか疑問である(電気機械製造、広島県)
- 接種を希望しない従業員も一定数いる。ワクチン接種の効果に対する不信(2回接種してもオミクロン株に感染する)もあり、より丁寧な説明が不可欠(建材・家具、窯業・土石製品卸売、群馬県)
- もしも副作用や後遺症が生じても、国ではワクチン接種は自己責任として扱われるため、会社側から推奨するなどの対応が取りづらいため(情報サービス、東京都)
[1]職域関連での接種を実施・検討する企業は、「各中小企業団体が主催する共同接種に参加」と「取引先企業などと合同で接種を実施」、「企業内の診療所などで接種を実施」「外部の医療機関などが出張し社内施設での接種を実施」「自社が指定した外部の医療機関などに社員が出向き接種を実施」を1つでも回答した企業の割合
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担当:池田 直紀
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