2011年の景気見通しに対する企業の意識調査

2011年の景気見通し、「回復」を見込む企業は1 割弱にとどまる
~ 過半数が「円高」を懸念し「政策支援終了」も2割超、求める政策は「法人向け減税」が4割超に ~

はじめに

2010年11月15日に発表された7~9月期の実質GDP成長率は前期比0.9%(年率3.9%)増と4 期連続のプラスとなったものの、政府は「景気はこのところ足踏み状態となっているほか、失業率が高水準であり厳しい状況」と認識し、総額約5兆円規模の2010年度補正予算を成立させた。また、内需が脆弱ななかで、国内景気の回復力は弱い状態が続いている。

そこで、2010年の景気動向および2011年の景気見通しに対する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2010年11月17日~30日。調査対象は全国2万 2,939社で、有効回答企業数は1 万948社(回答率47.7%)。なお、景気見通しに対する調査は2006年11月、2007年11月、2008年11月、2009年11月に続き5回目。

調査結果のポイント

  • 2010年、「踊り場」局面だったと判断する企業が45.5%、「悪化」は37.6%
    企業の45.5%が2010年の景気動向が「踊り場」局面だったと判断。「悪化」局面は37.6%で1年前より13.5ポイント減少。
  • 2011年の景気見通し、「回復」は1 割弱、「悪化」「踊り場」が3割超
    2011年の景気見通し、「悪化」局面と「踊り場」局面を予想する企業がともに3社に1社で拮抗。「悪化」は、2010年と比べて全規模、10業界中8業界、10地域中8地域で減少。「回復」は1割弱にとどまる。
  • 2011年景気への懸念材料、53.3%が「円高」と回答
    半数超の企業が円高、3割超が雇用環境の悪化を懸念。デフレや所得は1年前より弱まるが、政治の不安定さや中国経済に懸念を抱く企業が増加。
  • 景気回復のために必要な政策、「法人向け減税」が44.4%で最多
    企業の4割超で法人向け減税が景気回復に必要とし、1年前の7位からトップに上昇。閉塞する現状を打破するビジネスチャンスを捉えようとする企業の意思は一段と強まる。企業の競争条件を改善していくことが肝要。
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