2011年度の雇用動向に関する企業の意識調査
正社員採用、2年連続で増加を見込む企業が拡大するも、4割超が予定なし
~ 業容拡大や団塊退職などを背景に、正社員比率の「上昇」が「低下」を上回る ~
~ 業容拡大や団塊退職などを背景に、正社員比率の「上昇」が「低下」を上回る ~
海外需要が好調を維持するかたわら、国内需要の回復は遅れ、厳しい雇用・所得環境となっている。2011年1月の有効求人倍率は0.61倍と39カ月連続で1倍を下回り、また、新規学卒者の就職内定率が12月時点で68.8%(大卒)と過去最低に落ち込むなど、厳しい雇用環境が続いている。一方で、地域間や業界間、正社員・非正社員間などの雇用動向には格差がみられる。
そこで帝国データバンクでは、2011年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2011年2月16日~28日。調査対象は全国2万3,263社で、有効回答企業数は1万990社(回答率47.2%)。なお、雇用動向に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し今回で7回目。
調査結果のポイント
- 2011年度の正社員「採用増加」は2年連続増加も、「予定なし」は4割超
正社員の採用増加見込みは19.5%で2010年度見込み(14.3%)を5.2ポイント上回り2年連続で改善する見込み。ただ、「予定なし」も4割超に。 - 非正社員採用、「採用予定なし」が3年連続で5割を超える
非正社員の採用増加見込みは8.8%。一方、「採用予定はない」は50.8%となり3年連続で5割を超え、厳しい状況が続く。 - 正社員比率、企業の13.7%が上昇見込み。要因は「業容拡大」が最多
正社員比率は企業の13.7%が上昇を見込む。要因は「業容拡大」が53.6%で最多。「業績低迷による非正社員の削減」は大幅に減少。 - 既卒者の新卒扱い採用、企業の8.6%がすでに決定または検討中
企業の1割弱が新卒扱いでの採用を検討。扱いの差が日本の社会・経済の発展の妨げとなるなか、既卒と新卒の格差を緩和する仕組みが望まれる。 - 雇用環境の改善時期、「長期的に改善見込みなし」が最多
長期的に雇用環境は改善しないとみている企業が31.1%で最多。2012年度以降を見込む企業が35.5%。厳しい状況は続くが最悪期は脱しつつある。
このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。報道目的以外の利用につきましては、著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。