2012年の景気見通しに対する企業の意識調査
2012年景気、「回復」を見込む企業は上昇するも11.3%にとどまる
~ 6割超が「円高」を懸念、「増税」「金融市場の混乱」も大幅増加、求める政策は「円高対策」が半数超に ~
~ 6割超が「円高」を懸念、「増税」「金融市場の混乱」も大幅増加、求める政策は「円高対策」が半数超に ~
2011年11月14日に発表された7-9月期の実質GDP成長率は前期比1.5%(年率6.0%)増と4期ぶりのプラスとなったが、政府は「景気は東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、引き続き持ち直しているものの、そのテンポは緩やかになっている」という認識のもと、震災対策などに対する総額約12兆円規模の2011年度第3次補正予算案を国会に提出、成立した。一方、円高や海外経済の減速、電力供給制約など景気が下振れするリスクもある。
そこで、2011年の景気動向および2012年の景気見通しに対する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2011年11月17日~30日。調査対象は全国2万3,170 で、有効回答企業数は1万695社(回答率46.2%)。なお、景気見通しに対する調査は2006年11月から毎年実施し、今回で6回目。
調査結果のポイント
- 2011年、「悪化」局面だったと判断する企業が42.8%、「回復」は3.9%
企業の42.8%が2011年の景気動向が「悪化」局面だったと判断。「悪化」局面は1年前より5.2ポイント増加。 - 2012年の景気見通し、「回復」が11.3%に上昇、「悪化」「踊り場」は3割超
2012年の景気見通し、「悪化」「踊り場」局面を予想する企業が2011年からともに減少。「回復」局面は全規模、全業界、全地域で増加し、11.3%と5年ぶりに1割を超えた。 - 2012年景気への懸念材料、63.6%が「円高」と回答
円高を懸念する企業が6割を超え突出して多く、前回調査より10.3ポイント増加。また増税や金融市場の混乱に対する懸念も大幅に拡大。 - 景気回復のために必要な政策、「円高対策」が50.2%で最多
企業の半数超で円高対策が景気回復に必要とした。また、原発事故の収束や震災復興を挙げる企業も多く、震災への対応や個々の企業では対処が困難な円高に対する解決策を求める姿勢を強めている。
このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。報道目的以外の利用につきましては、著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。