2012年度の賃金動向に関する企業の意識調査

震災の影響があるなか、企業の37.5%が賃金改善を見込む
~ 賃金改善の理由「労働力の定着・確保」が最多、「業績拡大」も約5割。
一方で個人消費の縮小懸念高まる ~

厳しい雇用・所得環境が続くなか、雇用確保とともにベースアップや賞与(一時金)の引き上げなど賃金改善の動向が注目されている。また、今後の景気動向にとって個人消費の行方が注視されており、その点からも2012年度の賃金動向に関心が集まっている。
そこで帝国データバンクでは、2012年度の賃金動向に関する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2012年1月19日~31日。調査対象は全国2万3,472社で、有効回答企業数は1万665社(回答率45.4%)。なお、賃金に関する調査は2006年1月以降、毎年1月に実施し今回で7回目。

調査結果のポイント

  • 2012年度の賃金改善、「ある」と見込む企業は37.5%で「ない」を上回る
    賃金改善が「ある」企業は37.5%だった一方、「ない」は35.1%となり、厳しいながらも改善する企業がしない企業を2年連続で上回る見込み。
  • 具体的内容、ベアを実施する企業が30.8%、賞与(一時金)は20.5%
    賃金改善の具体的内容は、ベア30.8%、賞与(一時金)20.5%がともに3年ぶりに低下。
  • 賃金改善のない企業の約4割に東日本大震災が影響
    東日本大震災は賃金改善が「ある」企業の29.9%、「ない」企業の39.4%に影響を与えた。震災や原発事故、復興需要は主に東日本で賃金改善に影響。
  • 賃金改善の理由、「労働力の定着・確保」が最多、「業績拡大」も約5割に
    賃金改善をする理由は「労働力の定着・確保」が58.3%で最多。次いで「自社の業績拡大」が多く49.9%に。
  • 2012年度の個人消費、縮小懸念が3年ぶりに拡大
    2012年度の個人消費は46.0%が「縮小」、39.2%が「横ばい」の見通しで縮小懸念は3年ぶりに拡大。一方「拡大」は依然5.9%にとどまる。
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