営業秘密に関する企業の意識調査

漏洩の疑い、過去5年間で企業の1割が経験
~ 漏洩防止への取り組みは5割にとどまる ~

はじめに

企業が保有する情報について、その管理に対する経済的・社会的関心が高まっている。また、ひとたび情報漏洩が起こった場合には、取引先や消費者からの信用を失い、企業価値を著しく毀損してしまう。さらに、政府は知財立国を目指すなか成長戦略で「営業秘密や知的財産の管理にかかる環境整備を2014年度中に行う」としており、政策における重要性も増している。
そこで、帝国データバンクは、営業秘密に関する企業の見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2014年8月調査とともに行った。

  • 調査期間は2014年8月18日~31日、調査対象は全国2万3,533社で、有効回答企業数は1万1,023社(回答率46.8%)

調査結果(要旨)

  1. 営業秘密の漏洩について企業の8割が重要性を認識しており、企業規模が大きいほど営業秘密の漏洩に対する認識は強い。業界を問わず高い意識を有しているが、とりわけ『金融』業界では営業秘密の漏洩をより重要な課題として捉えている
  2. 企業の約1割が過去5年間で営業秘密漏洩の疑いを経験。従業員や取引先の多い大企業でその割合が高く、業界別では『金融』が最も高い。『金融』は危機意識が高い一方で、漏洩事例も多く、強い危機感を抱く一因となっていることが示唆される
  3. 営業秘密の漏洩防止に取り組んでいる企業は約半数にとどまる。重要性を認識している企業、あるいは漏洩の疑いのある企業でも、約3割が漏洩防止に対する取り組みを行っていない
  4. 漏洩防止に向けた取り組みの具体的内容としては、「情報の管理方針等の整備」が最も多くトップ。以下、従業員や役員、取引先などと「秘密保持契約を締結」、「データ等の持ち出し制限を実施」、「営業秘密とそれ以外の情報を区分」が続く
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