イノベーション活動に対する企業の意識調査
イノベーション活動、企業の約4割が実施
~ 組織やマーケティングの工夫で中小・零細企業の品質・シェア拡大も ~
~ 組織やマーケティングの工夫で中小・零細企業の品質・シェア拡大も ~
はじめに
日本再興戦略改訂2015(成長戦略)においてイノベーションによる“稼ぐ力”の強化が掲げられているほか、女性の活躍推進政策のなかで、職場において多様な価値観をもたらし、イノベーションの創出につなげることも求められている。また、大学改革の成果を生かしながら、産学官の橋渡し機能の強化や研究開発法人の機能強化など“イノベーション・ナショナルシステム”を本格稼働させるための政策が打ち出されている。
そこで、帝国データバンクは、企業のイノベーション活動に対する見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2015年8月調査とともに行った。
- 調査期間は2015年8月18日~8月31日、調査対象は全国2万3,283社で、有効回答企業数は1万833社(回答率46.5%)
調査結果(要旨)
- イノベーション活動、企業の39.4%が実施。ただし、規模別にみると実施割合は「大企業」ほど高く、業界別にみると『製造』『サービス』で高く、『運輸・倉庫』『不動産』『建設』で低くなっており、規模や業界で実施状況が大きく異なる
- イノベーション活動の実施状況をタイプ別にみると、「プロダクト・イノベーション」(23.3%)「プロセス・イノベーション」(21.6%)「組織イノベーション」(21.0%)は2割台となっているが、「マーケティング・イノベーション」は16.2%にとどまる
- イノベーション活動による効果、「商品・サービスのラインナップが拡充した」「商品・サービスの質が向上した」企業が4割超。ラインナップの拡充は「プロダクト・イノベーション」を実施した企業では6割台。市場シェアの拡大はマーケティング・イノベーションで高い効果
- イノベーション活動の阻害要因は、「能力のある従業員の不足」が47.4%でトップ、「技術に関する情報の不足」「市場に関する情報の不足」が2割台で続く
- イノベーション活動は寡占化が進む市場ほど実施傾向が高まるものの、中小・零細企業は組織やマーケティング・イノベーションの実施で品質向上やシェア拡大の可能性もある
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