大学に求める教育分野に対する企業の意識調査

文系・理系出身者、企業の3割で業務に違い
~ 大学で学ぶべき学問分野、“経済成長”と“社会の発展”でわかれる ~

はじめに

国立大学の「改革加速期間」において2016年度から第3期中期目標・中期計画が始まることにともない、文部科学省は6月8日、全国の国立大学に対し、教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院について、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることを求める内容の通知を出した。成長戦略における理系強化方針や優秀な理系人材の供給を求める経済団体の要請に応えたものであったが、教育界に加えて多くの企業からも反対意見が出されるなど、今後の日本の人材育成につながる大学改革について議論が活発化している。
そこで、帝国データバンクは、大学に求める教育分野に対する企業の見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2015年8月調査とともに行った。

  • 調査期間は2015年8月18日~8月31日、調査対象は全国2万3,283社で、有効回答企業数は1万833社(回答率46.5%)

調査結果(要旨)

  1. 自社の業務遂行にあたり、文系と理系の出身者で求めることに違いが「ある」企業は全体の29.2%、『製造』や『建設』で4割前後と高い。従業員数別では、101~1,000人の企業で4割を超える。一方で半数の企業で違いは「ない」と回答
  2. 大学で学ぶ・教えることが重要な分野として、“自社の成長”のためには「工学系統」、“日本経済の成長”では「経済・経営・商学系統」、“社会の発展”では「医・歯・薬学系統」がトップ。企業が考える重要度は個別分野では大幅に異なる一方、文系・理系による違いは小幅にとどまる
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