2017年度の業績見通しに関する企業の意識調査

企業の27.6%が「増収増益」見込みで緩やかな回復傾向
~ 企業はアベノミクスを63.1点と評価、1年前より2.8点上昇 ~

はじめに

国内景気は、原油価格の上昇など企業のコスト負担が増しているものの、サービス業や製造業を中心に景況感が上向いてきた。しかしながら、人手不足による受注機会の逸失は景気拡大の抑制要因として懸念される。また、地域や業界、規模によって景気動向が業績に与える影響は異なっている。

そこで、帝国データバンクは、2017年度の業績見通しに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2017年3月調査とともに行った。

  • 調査期間は2017年3月17日~31日、調査対象は全国2万3,929社で、有効回答企業数は1万305社(回答率43.1%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年3月以降、毎年実施し、今回で9回目

調査結果(要旨)

  1. 2017年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は27.6%。2016年度見通しから1.7ポイント増加した一方、「減収減益」は3.0ポイント減少。2017年度業績は改善を見込む企業が多くなっており、業績回復は緩やかに中小企業にも広がりつつある
  2. 2017年度業績見通しの下振れ材料は「個人消費の一段の低迷」が35.5%でトップとなり、「人手不足」「所得の減少」が続いた。特に、「人手不足」は前回(2016年3月調査)から6.1ポイント増加しており、労働力の確保・維持に危機感を強めている様子がうかがえる。一方、上振れ材料は「個人消費の回復」が36.8%で最高となり、6年連続で上振れ要因のトップ。以下、「公共事業の増加」「所得の増加」が続いた
  3. 安倍政権の経済政策(アベノミクス)の成果に対する企業の評価は、100点満点中63.1点。4年余りにわたるアベノミクスについて、中小企業ほど厳しくみている傾向は変わらないものの、企業は1年前より評価を高めており、総じて60点以上の評価を与えている
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