事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2018年)

BCP策定企業は14.7%にとどまる
~ 効果を実感する企業増加も、策定に向けた課題の解消進まず ~

はじめに

企業は、災害や事故などで被害を受けた際、取引先等の利害関係者から、重要な業務が中断しないこと、中断しても短い期間で再開することが望まれている。そのため、自然災害や情報セキュリティ事故などさまざまなリスクによる企業活動への影響を想定し、予め防災・減災対策、災害発生時や発生後の対応措置などを準備しておくことに対する重要性が高まっている。

そこで、帝国データバンクは、事業継続計画(BCP)に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年5月調査とともに行った。なお、事業継続計画(BCP)に関する調査は、2016年6月調査、2017年5月調査に続き3回目。

  • 調査期間は2018年5月18日~31日、調査対象は全国2万3,157社で、有効回答企業数は1万1社(回答率43.2%)

調査結果(要旨)

  1. 事業継続計画(BCP)の策定状況は、「策定している」企業が14.7%にとどまる。「現在、策定中」「策定を検討している」を合わせても44.9%と半数に満たず。業界別では、策定しているのは『金融』が39.0%で最も高く、『不動産』が10.3%で最も低い
  2. 「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」企業のうち、事業の継続が困難になると想定しているリスクでは、「自然災害(地震、風水害、噴火など)」(69.1%)、「設備の故障」(40.7%)、「火災・爆発事故」(35.4%)、「情報セキュリティ上のリスク」(35.1%)が上位。事業中断リスクに備えて実施・検討していることでは、「従業員の安否確認手段の整備」(71.2%)、「情報システムのバックアップ」(62.3%)、「事業所の安全性確保」(44.5%)が上位
  3. BCP策定の効果について、策定済みの企業では、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」が42.7%でトップ。以下、「事業の優先順位が明確になった」(37.7%)、「取引先からの信頼が高まった」(28.5%)が続く。「その他」を除くすべての項目で前年より上昇しており、BCP策定の効果を実感する企業が徐々に広がりをみせている
  4. BCPを策定していない理由は、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が44.0%でトップ。以下、「策定する人材を確保できない」(30.6%)、「書類作りでおわってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(26.1%)が続く
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