人手不足に対する企業の動向調査(2018年10月)
企業の52.5%が正社員不足、過去最高を更新
~ 正社員は3業種が7割超の企業で不足、非正社員は「飲食店」で高水準が続く ~
~ 正社員は3業種が7割超の企業で不足、非正社員は「飲食店」で高水準が続く ~
はじめに
9月の有効求人倍率は依然として高水準で推移し、労働需給はひっ迫度を増している。人手不足が深刻さを増すなか、人件費上昇は企業収益にも悪影響を及ぼし始めており、各社は生産性の向上などによるコスト削減に追われている。人手不足倒産の件数も2018年度上半期(4~9月期)は年度通期で100件を超えた2017年度(114件)を上回るペースで発生している(帝国データバンク「『人手不足倒産』の動向調査(2018年度上半期)」)。一方で最低賃金の大幅な改定や就職機会の拡大による労働環境の改善は、求職者側に明るい状況となっている。
そこで、帝国データバンクは人手不足に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年10月調査とともに行った。
- 調査期間は2018年10月18日~31日、調査対象は全国2万3,076社で、有効回答企業数は9,938社(回答率43.1%)
調査結果(要旨)
- 正社員が不足している企業は52.5%で1年前(2017年10月)から3.4ポイント増加し、調査開始以来、過去最高を更新した。業種別では「放送」(78.6%)がトップ、次いで「情報サービス」(74.4%)、「運輸・倉庫」(70.6%)の3業種が7割を超えた。以下、「建設」や「自動車・同部品小売」「メンテナンス・警備・検査」「家電・情報機器小売」「農・林・水産」の5業種が6割台となった。また、「飲食店」(53.1%)は1年前より9.2ポイント増加しており、非正社員にとどまらず正社員でも人手不足が急速に強まっている。規模別では、大企業が6割を超え不足感が一段と高まるなか、中小企業も初めて5割を超えるなど、企業規模にかかわらず人手不足が広がっている
- 非正社員では企業の34.1%が不足していると感じている(1年前比2.2ポイント増)。業種別では「飲食店」が84.4%(同3.9ポイント増)が不足と感じている。次いで、「飲食料品小売」「メンテナンス・警備・検査」「娯楽サービス」「人材派遣・紹介」などが高い。小売や個人向けサービスなどの接客業で不足感が高まっている傾向がみられる。正社員同様、規模の大きい企業ほど不足感の高まりが目立ち、なかでも小規模企業は過去最高を更新した
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