2020年度の業績見通しに関する企業の意識調査

2020年度、減収減益を見込む企業は44.4%
~ 新型コロナウイルスと個人消費の行方が業績を左右 ~

はじめに

国内景気は、中国や欧州など海外経済の減速が続くなか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、経済活動の制約が続いている。収束の時期は未だ見えず、東京五輪・パラリンピックの延期も決定するなど、先行きの不透明感は一層強まっている。他方、5G(第5世代移動通信システム)の本格化や生産の国内回帰は好材料になると見込まれる。

そこで、帝国データバンクは、2020年度の業績見通しに関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年3月調査とともに行った。

  • 調査期間は2020年3月17日~3月31日、調査対象は全国2万3,676社、有効回答企業数は1万1,330社(回答率47.9%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年2月以降、毎年実施し、今回で12回目

調査結果(要旨)

  1. 2020年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は、前回調査(20193月)の2019年度見通しから11.3ポイント減少し、13.5%にとどまった。一方、「減収減益」を見込む企業は同22.6ポイント増加の44.4%となり、2020年度の業績は厳しい見方をする企業が急増している
  2. 2020年度業績見通しの上振れ材料は、新型コロナウイルスに関する「感染症の収束」が43.3%でトップ。次いで、外出の自粛が続くなか、「個人消費の回復」(34.8%)も上位となった。以下、「公共事業の増加」「中国経済の成長」「経済政策の拡大」「人手不足の緩和」が続いた。一方、下振れ材料においても「感染症の拡大」が62.0%で最も高く、「個人消費の一段の低迷」(40.7%)が続いている
  3. 安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果に対する企業の評価は、100点満点中59.4点。前回調査から2.4ポイント減少し、同質問を尋ねている2015年以降で初めて60点を下回るなど、一段と厳しい見方が強まっている
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