新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年9月)
2020年度の業績、企業の56.0%が「減収減益」見通し
~ 新型コロナで始めた働き方は「オンライン会議の導入」がトップ ~
~ 新型コロナで始めた働き方は「オンライン会議の導入」がトップ ~
はじめに
緊急事態宣言が解除されて以降、経済活動への制約などが徐々に緩和され、日本の社会・経済は再び動き出している。しかし、国内の新規感染者数は引き続き不透明な状況が続いており、新型コロナウイルスの動向が国民の生活や企業活動を左右することに変わりはない。また、「新しい生活様式」への対応が求められるなか、企業には従来とは異なる働き方や、時代に即した商品やサービスの開発や販売が求められている。
そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年9月調査とともに行った。
- 調査期間は2020年9月15日~30日、調査対象は全国2万3,695社で、有効回答企業数は1万1,689社(回答率49.3%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月から毎月実施し、今回で8回目
調査結果(要旨)
- 新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は80.6%となり5カ月連続で減少した。一方、『プラスの影響がある』は3.6%だった。業種別にみると、『マイナスの影響がある』では「旅館・ホテル」(96.8%)が6カ月連続で、『プラスの影響がある』では「各種商品小売」(35.6%)が7カ月連続で最も高い
- 2020年度の業績見通し、「増収増益」を見込む企業は10.5%で、2020年3月調査時点(13.5%)から3.0ポイント減少した。一方で、「減収減益」を見込む企業は56.0%となり、同時点(44.4%)から11.6ポイント増加した
- 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに開始した働き方改革への取り組みは、「オンライン会議の導入」(39.0%)がトップとなった。次いで、「在宅勤務の導入」(33.9%)、「時差出勤・フレックスタイム制の導入」(25.7%)も高い
- 働き方を変えるうえでの問題点、「リモートワークに適さない業務が主である」が74.5%でトップ。特に、エッセンシャルワーカーなどを有する『製造』『小売』『農・林・水産』『建設』では8割を上回る
- 「新しい生活様式」に対応した商品やサービスの開発・販売、「咳エチケットに資する商品、サービス」が18.7%でトップ。今後検討している項目では、「インターネットを利用した販路拡大」が11.5%と最も高い
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